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ガザ和平計画の第1段階で合意、数日中に人質全員解放

2025年10月09日(木)13時43分

 10月8日、トランプ米大統領は、イスラエルとイスラム組織ハマスが、米国が提案したパレスチナ自治区ガザ和平計画の第一段階を承認したと発表した。写真はイスラエル軍の攻撃を受けて煙が上がるガザ市。6日、ガザ地区中部から撮影(2025年 ロイター/Dawoud Abu Alkas)

Nidal al-Mughrabi Steve Holland Matt Spetalnick Trevor Hunnicutt Alexander Cornwell

[カイロ/ワシントン 9日 ロイター] - イスラエルとイスラム組織ハマスは8日、トランプ米大統領のパレスチナ自治区ガザ和平計画の第1段階となる停戦と人質解放で合意した。

トランプ氏は自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」で、「イスラエルとハマスがわれわれの和平計画の第1段階に署名したことを発表できて、非常に誇りに思う」と述べた。

「これは人質全員が間もなく解放されることを意味する。イスラエルは強固で耐久性のある永続的な平和への第一歩として、合意された地点まで軍を撤退させる」と語った。

しかし、トランプ氏が発表した合意は詳細が乏しく、多くの未解決問題を残したままとなっており、これまでの和平に向けた取り組みと同様に崩壊する可能性も依然としてある。

イスラエルのネタニヤフ首相は9日に政府を招集し、合意を承認すると明らかにした。声明で「計画の第1段階の承認により、人質全員が帰還することになる。これは外交上の成功であり、イスラエルにとって国家的かつ道義的な勝利だ」と述べた。

ハマスは戦争を終結させる合意に達したことを確認し、合意にはイスラエルのガザ撤退、人質・捕虜交換も盛り込まれていると述べた。イスラエルが停戦を完全に履行することをトランプ大統領と仲介国に求めたことも明らかにした。

「われわれの人民の犠牲が無駄になることはない。自由、独立、自決が達成されるまで、人民の権利を決して放棄しないという誓約を忠実に守り続ける」と強調した。

トランプ氏はこれに先立ち、合意はほぼ成立しており、今週末にエジプトを訪問する可能性があるとしていた。早ければ11日に出発するという。

同氏はSNSに「アラブとイスラム世界、イスラエル、全ての周辺国、そしてアメリカ合衆国にとって素晴らしい日だ。この歴史的で前例のないことを実現させるために、われわれと協力してくれたカタール、エジプト、トルコの仲介国に感謝する」と投稿した。

ガザとウクライナの戦争を速やかに終結させると約束して1月に大統領に就任したトランプ氏にとって、この合意が成功すれば、これまでで最大の外交政策上の成果となる。

<数日以内に人質解放の見込み>

イスラエル政府報道官によると、人質解放は11日に開始される見通し。

ハマスの関係者はイスラエル政府が合意を承認してから72時間以内に、人質が引き渡されると述べた。ハマス当局者は、28人とみられる死亡した人質の遺体をガザのがれきの中から回収するには、さらに時間を要するとしている。

トランプ氏はFOXニュースの番組に対し、ガザで拘束されている人質がおそらく13日に解放されると述べた。

イスラエル首相府によると、ネタニヤフ氏とトランプ氏は電話で会談し、合意について祝辞を述べ合った。ネタニヤフ氏はトランプ氏にイスラエル議会での演説を依頼したという。

国連のグテレス事務総長は、全ての側が人質合意の条件を完全に順守するよう呼びかけ。声明で「ガザへの人道物資や必要不可欠な商業物資の即時かつ無制限の搬入を確保しなければならない。苦しみは終わらなければならない」と述べた。

<戦後のガザ統治>

トランプ氏の計画の次の段階では、同氏が主導する国際機関がガザの戦後統治で重要な役割を担う。アラブ諸国はこの計画を支持する一方、最終的にパレスチナ国家の独立につながるべきだと主張している。これに対し、ネタニヤフ氏はパレスチナ国家は実現しないとの立場を示している。

戦争終結後のガザ統治を巡っては、米国などの西側諸国、イスラエル、アラブ諸国はハマスの参加を容認していない。他方でハマスはパレスチナのテクノクラート政府にのみガザの統治権を引き渡し、外国勢力の参加に反対する立場だ。

ロイター
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