ニュース速報
ワールド

スウェーデン中銀、利下げ打ち止めと認識 9月会合議事要旨

2025年09月30日(火)13時59分

 9月29日、スウェーデン中央銀行(リクスバンク)が公表した今月の政策決定会合議事要旨で、政策担当者は利下げが打ち止めになった公算が大きいと認識していることが分かった。写真は2016年8月、ストックホルムの中銀本部で撮影(2025年 ロイター/Violette Goarant)

Simon Johnson

[ストックホルム 29日 ロイター] - スウェーデン中央銀行(リクスバンク)が29日公表した今月の政策決定会合議事要旨で、政策担当者は利下げが打ち止めになった公算が大きいと認識していることが分かった。

リクスバンクは23日の会合で、政策金利を2.00%から1.75%に引き下げることを決定。基調的な物価上昇率が目標の2%か恐らくはそれを下回る方向で推移している点を踏まえ、低調な経済をてこ入れする最後の利下げを行う余地があったと説明した。

議事要旨によると、テディーン総裁は「幾つかのリスクは残るが、金利を下げて需要を追加的に刺激するべきとの議論が、反対論よりも優勢になった。現状から判断すると、今回が恐らく今の緩和サイクルにおいて最後(の利下げ)になるだろう」と述べた。

また「本日の利下げに伴うリスクの1つは、スウェーデン経済の潜在成長力を踏まえた1.75%という金利水準があまりにも低いことだ。来年需要が予想外に強くなり、物価安定を脅かす事態になれば、われわれは現在の想定より早い利上げ開始を迫られる」との見解を示した。

議事要旨では、23日の利下げに反対して金利据え置きを主張したセイム副総裁も「私の評価では、脆弱な供給サイドと来年の拡張的な財政政策が相まって、インフレが予想外に上振れる恐れがある」と警告した。

ただアナリストらは、金融政策の方向が早期に利上げへ転換するシナリオに否定的だ。

スウェドバンクはノートに「リクスバンクは長期間(政策金利を)現行水準に維持するとわれわれは予想する。しかしわれわれのリスク評価では景気回復が想定より鈍くなるため、向こう12カ月で(追加の)利下げも排除されない」と記した。

リクスバンクの次回会合は11月5日に開催される予定だ。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

新浪氏、経済同友会の代表幹事職を辞任 自身が申し出

ワールド

イラン人100人を米国から強制送還、両国が異例の協

ビジネス

英GDP、第2四半期確報は0.3%増 経常赤字は拡

ビジネス

UBS、スイス政府の自己資本増強案に反発 「金融部
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
2025年10月 7日号(9/30発売)

投手復帰のシーズンもプレーオフに進出。二刀流の復活劇をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけではない...領空侵犯した意外な国とその目的は?
  • 2
    虫刺されに見える? 足首の「謎の灰色の傷」の中から思わぬものが出てきた...患者には心当たりが
  • 3
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒りの動画」投稿も...「わがまま」と批判の声
  • 4
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び…
  • 5
    シャーロット王女の「視線」に宿るダイアナ妃の記憶.…
  • 6
    マシンもジムも不要だった...鉄格子の中で甦った、失…
  • 7
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 8
    カーク暗殺の直後から「極左」批判...トランプ政権が…
  • 9
    【クイズ】身長272cm...人類史上、最も身長の高かっ…
  • 10
    英国王のスピーチで「苦言チクリ」...トランプ大統領…
  • 1
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 2
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...「文学界の異変」が起きた本当の理由
  • 3
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒りの動画」投稿も...「わがまま」と批判の声
  • 4
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 5
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 6
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 7
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 8
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 9
    高校アメフトの試合中に「あまりに悪質なプレー」...…
  • 10
    虫刺されに見える? 足首の「謎の灰色の傷」の中から…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中