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英財務相、「経済的責任」強調 与党内の財政支出拡大派に反論

2025年09月30日(火)13時53分

 9月29日、リーブス英財務相(写真)はリバプールで開かれた与党労働党の定期大会で演説した。写真は同日、リバプールで撮影(2025年 ロイター/Hannah McKay)

Alistair Smout Elizabeth Piper Andrew MacAskill

[リバプール(英国) 29日 ロイター] - リーブス英財務相は29日、リバプールで開かれた与党労働党の定期大会で演説した。自らの「経済的責任」に対する取り組みを強く擁護し、財政規律を緩めて低迷する国内経済にもっと支出すべきだとする労働党内の批判に真っ向から反論した。

演説では、保守党とポピュリスト政党リフォームUKの主張の「虚偽」に的を絞り、債券市場を軽視してでも支出拡大を求める労働党内の批判者に対しても「間違っている、それも危険なほどに」と直接的に訴えかけた。

リーブス氏は世界が「不安定の時代」に突入したとし、11月の予算編成で一段と厳しい選択をすることになるだろうが「リスクは取らない」と述べた。

2022年9月、トラス保守党政権(当時)は「ミニ予算」の発表で裏付けのない一連の政策を打ち出し、金融市場を混乱させた。

その約1年後、昨年7月の総選挙で労働党は「経済的信頼」を掲げて勝利したが、政権発足から1年が経過して失策や閣僚辞任が相次ぎ、世論調査でリフォームUKに後れを取っている。

リーブス氏は演説で、政権のこれまでの成果にもっと誇りを持ち、一致団結してリフォームUKと対決姿勢を取るよう要請。「彼らはどのような虚偽でも広め、どのような安易な答えでも売り込み、どれくらい積極的にでも地域や家族を引き裂こうとする。彼らは労働者の味方ではない」と強調した。

新しい政策をほとんど提示しなかったが、議会が終了するまでに全ての小学校に図書館を設置すると約束し、18カ月間ユニバーサル・クレジットを受給しながら就業も学習もしない若者に有給の仕事を必ず提供すると明らかにした。

ロイター
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