ハマス、ガザ巡り包括的取引の用意あると表明 トランプ氏発言後

9月3日、イスラム組織ハマスは合意された数のパレスチナ人囚人の解放と引き換えに、パレスチナ自治区ガザで拘束しているイスラエル人の人質全員を解放する包括的な取引の用意があると改めて表明した。写真は3日、ガザとの境界付近で待機するイスラエル軍車両(2025年 ロイター/Ammar Awad)
[カイロ 3日 ロイター] - イスラム組織ハマスは3日、合意された数のパレスチナ人囚人の解放と引き換えに、パレスチナ自治区ガザで拘束しているイスラエル人の人質全員を解放する包括的な取引の用意があると改めて表明した。
これに先立ち、トランプ米大統領はハマスに人質20人全員の解放を求めた。
トランプ氏は3日、ハマスに対し人質全員の解放を改めて求め、解放すればガザでのイスラエルの戦争は終結すると示唆。「ハマスに20人全員(2人や5人、7人ではない!)の人質を直ちに返還するよう伝えれば、状況は急速に変わる。必ず終わる!」と自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。
イスラエルの首相府は声明でハマスの発言を批判し、「残念ながら、これはハマスによる新たなごまかしであり、目新しいものは何もない」と指摘。ガザでの戦争終結には、全ての人質解放、ハマスの武装解除、ガザの非武装化に加え、イスラエルがガザの治安管理を確立し、それに代わる文民政権が樹立される必要があると改めて強調した。
ハマスは8月、ガザで拘束している人質の半数の返還と、イスラエルによるパレスチナ人囚人の一部解放を含む、イスラエルとの60日間の停戦案に合意した。エジプト政府筋によると、ハマスが受け入れた提案には60日間のイスラエル軍の作戦停止が含まれ、約2年にわたる戦争の終結に向けた包括的な取り決めの枠組みが示されている。
イスラエルのネタニヤフ首相はその数日後、ガザに拘束されている人質全員の解放と戦闘の終結に向けた交渉を直ちに再開するよう指示したが、交渉はイスラエルにとって受け入れ可能な条件で行うとした。