スイス中銀のマーティン副総裁、マイナス金利に慎重姿勢

8月27日、スイス国立銀行(中央銀行)のマーティン副総裁は、マイナス金利の導入について、金利がプラス圏にある際の利下げよりもハードルが高いと述べた。写真はUBSグループとクレディ・スイスのロゴ。2023年3月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[チューリッヒ 27日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行)のマーティン副総裁は、マイナス金利の導入について、金利がプラス圏にある際の利下げよりもハードルが高いと述べた。
27日付の地元紙ラジェフィのインタビューで語った。中銀は6月に政策金利をゼロに引き下げた。
マーティン氏はマイナス金利について、過去の経験で効果的な政策になり得ることが示されているが、銀行・投資家・家計の課題が増え、リスクが増大すると指摘。
「この現象は長期的に悪影響を及ぼしかねない」とし「マイナス金利導入の要件水準は、金利がプラス圏にある際の利下げよりも高いことに留意すべきだ」と語った。
中銀はデフレを予想していないとし、インフレ率が今後数四半期で急上昇するとの中銀の予測に触れた。
ドルが対スイスフランで軟調に推移していることについては、インフレに劇的な影響を及ぼすことはないはずだとし、フラン高というよりドル安の問題だと述べた。
経済見通しは不透明だとも発言。スイス政府と接触し、米関税の潜在的な影響について専門知識を共有していると述べた。
ただ「中銀は政治的な役割は果たさない」とも語った。