トランプ氏、ウクライナ戦争巡り「領土交換」言及 EU「停戦先決」

8月11日、トランプ米大統領は、ウクライナ戦争を終結させるためにはウクライナとロシアの双方が領土を割譲する必要があり、今週行われるロシアとの首脳会談でプーチン大統領がディール(取引)に応じる意思があるかどうかが即座に明らかになるだろうと述べた。写真はロシア軍を攻撃するウクライナ軍。8月5日、ドネツク州で撮影(2025年 ロイター/Oleksandr Ratushniak)
Trevor Hunnicutt Steve Holland Yuliia Dysa Lili Bayer
[ワシントン/キーウ/ブリュッセル 11日 ロイター] - トランプ米大統領は11日、ウクライナ戦争を終結させるためにはウクライナとロシアの双方が領土を割譲する必要があり、今週行われるロシアとの首脳会談でプーチン大統領がディール(取引)に応じる意思があるかどうかが即座に明らかになるだろうと述べた。
互いに「領土交換」を行う必要があるという見解を示した。15日に予定されるプーチン大統領との会談は合意の可能性を探ることが目的とし、「手探り」の会談となるとした上で、2分以内に進展の見込みがあるか判断できると述べた。
欧州ではトランプ氏がプーチン氏に歩調を合わせウクライナに不利な条件で合意を取り付ける可能性を懸念。欧州連合(EU)の外相に当たるカラス外交安全保障上級代表は11日、戦争を終結させ、「将来の欧州におけるロシアの侵略を防ぐ」ためには、「欧米の結束、ウクライナへの支援、ロシアへの圧力」が必要だと述べた。
トランプ氏は将来の会談として、ウクライナのゼレンスキー大統領と会談、もしくは3者会談が行われる可能性があるとしたほか、プーチン大統領との会談後すぐに欧州首脳らと協議するとも述べた。
ウクライナのイエルマーク大統領府長官は、11日にルビオ米国務長官と電話で話したと明らかにし、永続的な和平には「実質的な交渉の前提条件としての無条件停戦」が必要だとXに投稿した。
カラス氏はまた、EUが対ロシア制裁の第19弾の策定に取り組むと明らかに。さらに、ウクライナにおける紛争を巡り「ロシアが完全かつ無条件の停戦に同意しない限り、いかなる譲歩についても議論すべきではない」と言明。「まずは強力な監視システムと堅固な安全保障を伴う形での無条件停戦が先決だ」と述べた。
ゼレンスキー氏はロシアにウクライナとの戦争を終結させる用意がある兆候は見られないと述べ、同盟国に対し、ウクライナに安全保障が提供されるまでロシアに対する制裁措置を維持するよう呼びかけた。