7月豪求人広告は前月比1%減、なお高水準で労働市場減速は緩やかか

オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)と求人情報サイトのインディードが5日発表した7月の求人広告件数は前月比1%減少した。写真はシドニーの店舗に出されたセールスアシスタントの求人。2016年12月撮影(2025年 ロイター/Steven Saphore)
[シドニー 5日 ロイター] - オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)と求人情報サイトのインディードが5日発表した7月の求人広告件数は前月比1%減少した。6月改定値の1.6%増が帳消しになったわけではなく、労働市場の減速が緩やかにとどまっている様子がうかがえる。
7月の前年同月比は0.1%増で、求人広告の水準はコロナ禍前に比べるとなお14.4%上回っている。
ANZのエコノミスト、アーロン・ルーク氏は「オーストラリアの求人広告は依然として高水準で労働市場が大幅に緩む公算は乏しいと示唆される。件数は狭い範囲を維持し、昨年半ばからほぼ横ばいで推移している」と指摘した。
オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は労働市場が完全雇用に近いとの判断を変えていない。ただ6月の雇用増加幅が予想に届かず、失業率が4.3%に上昇したため、労働市場にほころびが生じ始めたのではないかとの懸念が出ている。
注目された四半期の物価上昇率が予想を下回ったことから、RBAは12日の会合で政策金利を25ベーシスポイント(bp)下げて3.6%にすることを決めるとの予想が大勢。7月会合では市場の利下げ予想に反して金利据え置きを決定した。