ドイツは対イスラエル制裁を検討すべき、連立政党有力議員が書簡

ドイツ大連立政権を構成する中道左派、社会民主党(SPD)の有力議員が、ドイツはイスラエルへの制裁を検討し、一部の武器輸出停止や欧州連合(EU)全体としての政治協定停止も視野に入れるべきだとする書簡をSPDの議員に送っていたことが4日に分かった。写真はズィームチェ・メラー 議員。2023年9月に撮影(2025年 ロイター/Kai Pfaffenbach)
Markus Wacket
[ベルリン 4日 ロイター] - ドイツ大連立政権を構成する中道左派、社会民主党(SPD)の有力議員が、ドイツはイスラエルへの制裁を検討し、一部の武器輸出停止や欧州連合(EU)全体としての政治協定停止も視野に入れるべきだとする書簡をSPDの議員に送っていたことが分かった。ロイターが書簡の内容を確認した。
ドイツはナチス時代のホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)を巡る罪の意識からイスラエル寄りの政策を大筋で続けているものの、今回の書簡からはドイツ政府内でイスラエルに対する姿勢が厳しさを増している様子が読み取れる。
書簡はSPD院内会派の副代表を務めるズィームチェ・メラー 議員によるもので、メラー氏が先週ワーデフール外相とイスラエルを訪問した後で議員に送られた。
メラー氏は書簡で「イスラエル政府は圧力がなければほとんど動かない。近い将来に具体的な改善が見られなければ、結果を伴うべきだというのが私の見解だ」と説明。パレスチナ国家の承認をタブー視すべきではなく、ガザ支援に制限をかけていないというイスラエルの説明には説得力がないと指摘した。
メラー氏は同時に、イスラム組織ハマスに拘束されている人質の即時かつ無条件の解放を要求。ハマスは今後のガザの政治で役割を担うべきではなく、「武装解除され、その恐怖政治は終わらねばならない」とも訴えた。
SPDは今年、メルツ首相率いる保守派政党と組んで大連立政権に加わった。