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世界の電力需要、過去10年強で最速のペースで増加へ=IEA

2025年07月31日(木)13時56分

Forrest Crellin

[パリ 30日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は30日に世界の電力需要について、産業用のほかデータセンターや電気自動車(EV)向けの利用拡大を背景に、過去10年余りで最も急速かつ持続的なペースで増加するとの予測を公表した。

世界の電力需要の増加率は今年が3.3%、2026年が3.7%と、いずれも2015─23年の2.6%を大きく上回ると予想。IEAの貞森恵祐エネルギー市場・安全保障局長は、送電網や蓄電設備、電力システムの柔軟性を向上するための投資が不可欠だと述べた。

再生可能エネルギーは、天候や燃料価格の動向に左右されるものの、2025年末もしくは遅くとも26年には石炭を抜いて世界最大の発電源となる見込み。

原発は、日本での運転再開、米国やフランスでの安定的な稼働、アジアでの新規建設などで発電量が過去最高水準に達すると予想。また、中東とアジアでは発電燃料が石炭や石油から天然ガスに切り替わる流れが続くと予測した。

電力部門からの二酸化炭素(CO2)排出量は2025年に頭打ちとなり、26年にはわずかに減少する可能性があるが、天候や経済状況で左右されるとしている。

2026年までの電力消費増加分の60%を新興アジア諸国が占める見込み。中国は電力需要の伸びが今年の5%から26年には5.7%に加速し、インドも同様に4%から6.6%へと大幅に伸びると予想されている。

一方、米国はデータセンターの拡張を支えに電力需要伸びが26年まで2%強で底堅く推移し、欧州連合(EU)は今年の約1%から来年はわずかに加速する見込みだ。

ロイター
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