ロシアの報復、今後本格化へ 多面的な攻撃を予想=米当局者

6月7日、ロシアは今月初めのウクライナによるドローン(無人機)攻撃に対する報復を表明したが、米政府は本格的な報復はまだ始まっておらず、今後、大規模な多面的攻撃が行われる可能性が高いとみている。写真はロシアのドローン攻撃で炎と煙が上がるキーウの市街地。6日撮影(2025年 ロイター/Gleb Garanich)
Phil Stewart Idrees Ali
[ワシントン 7日 ロイター] - ロシアは今月初めのウクライナによるドローン(無人機)攻撃に対する報復を表明したが、米政府は本格的な報復はまだ始まっておらず、今後、大規模な多面的攻撃が行われる可能性が高いとみている。
複数の米当局者がロイターに明らかにした。
本格的な報復のタイミングは不明で、ある関係筋は数日中に予想されると指摘。別の米高官は、報復にはミサイルやドローンなどさまざまな航空能力が含まれる可能性が高いと予想している。
ウクライナは今月初めのドローン攻撃でロシアの軍用機を攻撃したが、ロシアの攻撃手段や標的は「非対称的」で、異なるものになる見通しという。
ロシア国防省は6日、ウクライナの「テロ行為」への報復として、ロシア軍がウクライナの軍事施設などに対し夜間に大規模攻撃を実施し、成功したと発表した。
西側の外交筋は、報復が始まった可能性があるが、今後、ウクライナに明確なメッセージを送るために、政府庁舎のような象徴的な建物が標的になり、攻撃が激化する可能性が高いと分析している。
カーネギー国際平和基金のロシア専門家、マイケル・コフマン氏はウクライナ保安庁が中距離弾道ミサイルで攻撃される可能性を指摘。防衛装備品の製造拠点も標的になる可能性があると述べた。
ただ、すでに多くの軍事力を投入しているため、報復の選択肢が限られる可能性もあるという。