中国が米国防長官発言に抗議、「中傷的で不当な脅威呼ばわり」と非難

6月1日、中国外務省は、シンガポールにおけるアジア安全保障会議(シャングリラ会合)でのヘグセス米国防長官の発言について、中国を中傷し、地域諸国からの平和を求める声を意図的に無視しているなどと強く非難し、米政府に抗議した。写真は5月31日、シャングリラ会合でスピーチするヘグセス氏(2025年 ロイター/Edgar Su)
[北京 1日 ロイター] - 中国外務省は1日、シンガポールにおけるアジア安全保障会議(シャングリラ会合)でのヘグセス米国防長官の発言について、中国を中傷し、地域諸国からの平和を求める声を意図的に無視しているなどと強く非難し、米政府に抗議した。
ヘグセス氏は中国の脅威が差し迫っており、インド太平洋地域の同盟国・友好国に防衛費増額を求めるとともに、抑止力を再構築して中国の侵略を阻止すると強調した。
これに対して中国外務省は「ヘグセス氏はことさらに陣営間を対立させる冷戦的思考を宣伝し、中国の名誉を傷付け、不当に脅威呼ばわりしている」と反論。米国が南シナ海に攻撃的な武器を配備し、アジア太平洋に緊張を生み出してこの地域を火薬庫に転じさせつつあると付け加えた。
また同省は、米国は台湾問題で「火遊び」をしてはならないと警告した。ヘグセス氏は先に、中国によるいかなる台湾侵攻の試みも「破滅的な結果をもたらす」と演説していた。
一方中国国防省は、米国はシャングリラ会合を「不和の醸成や利己的な利益追求」の場として利用するのに手慣れていると述べ、中国軍は地域諸国と協力し、アジア太平洋に有害な覇権主義へ反対していくと主張した。