マスク氏、トランプ政権役職を退任 DOGEで職員大量削減

5月28日、米実業家のイーロン・マスク氏(写真)がトランプ政権における特別政府職員としての役割を終えることになったと、ホワイトハウス高官が明かした。3月22日、フィラデルフィアで撮影(2025年 ロイター/Nathan Howard)
[ワシントン 28日 ロイター] - 米実業家のイーロン・マスク氏がトランプ政権における特別政府職員としての役割を終え退任することになったと、ホワイトハウス高官が28日に明かした。高官はロイターに、マスク氏が政府職を離れるのは事実で「退任は今夜から始まる」と語った。
政府効率化省(DOGE)を率いてきたマスク氏は同日、「特別政府職員としての任期が終わりに近づいているが、無駄な支出を削減する機会を与えてくれたトランプ大統領に感謝したい」とXに投稿。「DOGEの使命は、政府全体のあり方となるにつれて時間とともに強化されるだろう」と語った。
関係筋によると、マスク氏は辞任発表前にトランプ大統領と正式な話し合いをしておらず、辞任は「上級スタッフレベルで」決定された。
退任の経緯は明らかになっていないが、マスク氏は27日放送のCBSとのインタビューで、トランプ氏肝入りの税制・歳出法案が財政赤字削減の取り組みを阻害すると批判。「正直に言って、この巨額の支出法案を見てがっかりした」と述べていた。
関係筋によると、ミラー大統領次席補佐官らホワイトハウス高官はこの発言に憤慨しているという。マスク氏はトランプ氏と近い関係にあるものの、政権内での立場は徐々に低下していた。
マスク氏の任期は130日以内とされており、今月30日ごろに終了する予定だった。トランプ政権は、DOGEが行ってきた連邦政府の再構築と縮小の取り組みは今後も継続されると述べている。
トランプ氏とDOGEはこれまで、230万人の連邦政府職員の約12%に当たる26万人を削減し、政府機関に波乱をもたらした。
マスク氏はこのところ、一部の政権高官と衝突。同氏が提唱した米欧間の「ゼロ関税」に反対するナバロ大統領上級顧問(貿易・製造業担当)を「愚か者」と批判していた。