ブラジル、海外投資への課税強化撤回 批判相次ぐ

5月23日、ブラジル財務省は、前日発表した海外投資に対する金融取引税(IOF)増税を撤回したことを明らかにした。写真は、ブラジルのアダジ財務相。3月18日、ブラジリアで撮影(2025年 ロイター/Adriano Machado)
Fernando Cardoso Bernardo Caram Marcela Ayres
[サンパウロ 23日 ロイター] - ブラジル財務省は23日、前日発表した海外投資に対する金融取引税(IOF)増税を撤回したことを明らかにした。資本規制の復活につながるとの批判が国内から相次いだことが背景。
政府は22日、財政赤字の穴埋めに向け、さまざまな取引を対象にIOFを増税する行政命令を発表していた。
アダジ財務相は記者団に「反響が大きく、直ちに修正する必要があった」とし「政府の本来の目的ではない海外投資の抑制などを巡る憶測を避けるため、この項目を見直す価値があると判断した」と述べた。
通貨レアルは23日午前の取引で1%以上値下がりしたが、その後は全般的なドル安を背景に下げ渋った。
IOF増税は22日に発表され、直ちに発効したが、関係筋によると、中央銀行や政府の一部の経済チームには事前に通知がなかった。中銀元幹部は22日、「ブラジル人の全ての海外投資に3.5%のIOFを課すのは資本規制に等しい」とXで批判していた。
企業の融資や高所得層の年金プランなどに対するIOF増税は維持する。