トランプ政権、軍事力行使の必要性を慎重に判断=バンス副大統領

5月23日、バンス米副大統領(写真)はトランプ政権下の米国は終わりのない紛争への関与を避け、軍事力を行使する必要があるかどうかを慎重に判断するとの方針を示した。写真は14日、ワシントンで代表撮影(2025年 ロイター)
[ワシントン 23日 ロイター] - バンス米副大統領は23日、トランプ政権下の米国は終わりのない紛争への関与を避け、軍事力を行使する必要があるかどうかを慎重に判断するとの方針を示した。一方で中国やロシアなどの国々からの深刻な脅威に直面している中で、米軍が技術的な優位性を維持しなければならないとも訴えた。
東部メリーランド州アナポリスの米海軍士官学校の卒業式で語った。バンス氏は元海兵隊員で、米海軍士官学校の卒業生は海軍や海兵隊の士官となる。
バンス氏は「米国が議論の余地なく優位に立つという時代は終わった」と強調。その一方で、トランプ大統領がイエメンの親イラン武装組織フーシ派に対して武力行使を命令したことは最終的に停戦につながったと主張して「殴る(攻撃する)かどうかの判断は注意深くあるべきだが、殴る時には強烈な決定打を放つ」と話した。
バンス氏は名前の特定を避けながらも、最近の一部の大統領は米国の国家安全保障にとって本質的でない紛争に米国を巻き込んだと批判した。これはイラクとアフガニスタンで米国主導の戦争を始めたブッシュ(子)元大統領(共和党)と、後任でアフガン戦争を続けたオバマ元大統領(民主党)を指していることを示唆した。
さらにバンス氏は「米国の中核的な国益にほとんど役に立たなくても、国づくりや外国への干渉と引き換えに国防と同盟関係の維持する外交政策が長い間実験されてきた」とした上で、「未確定の任務も、開放的な紛争も、もうたくさんだ」との考えを示した。