メキシコ、第1四半期GDPは前期比0.2%増 先行き悪化懸念も

メキシコ国家統計地理情報局(INEGI)が5月22日に発表した2025年第1・四半期の国内総生産(GDP)は前期比0.2%増と、速報値から変わらなかった。写真はメキシコ市の路上市場の屋台。2024年12月撮影(2025年 ロイター/Raquel Cunha)
Brendan O'Brien
[メキシコ市 22日 ロイター] - メキシコ国家統計地理情報局(INEGI)が22日に発表した2025年第1・四半期の国内総生産(GDP)は前期比0.2%増と、速報値から変わらなかった。ロイターがまとめた市場予想とも一致した。
中南米2番目の経済大国であるメキシコは農業分野が堅調で、製造業とサービス業が落ち込んだのをカバーした。前年同期比は0.8%伸びた。
ただ、トランプ米大統領が輸入品の関税を引き上げている貿易政策と、それがもたらす不確実性を背景に、市場関係者らは米国と強く結び付いたメキシコ経済が今後数四半期はマイナス成長に陥るリスクがあると警告している。
パンテオン・マクロエコノミクスの中南米担当チーフエコノミスト、アンドレス・アバディア氏は「基本的なモメンタムは引き続き脆弱で、先行きの指標は見通しの悪化を示唆している」と分析した。
メキシコの銀行バナメックスは発表されたGDPについて「工業生産が減り続け、サービス業が弱まったことを示している」とした上で、「見通しは、今後数四半期は経済活動が引き続き弱いことを示している」と指摘した。
アマドール財務相はGDPが「経済が堅調で、拡大が続いている」ことを示しているとコメントした。財務省が4月に発表した予算案は、25年のGDPが前年より1.5―2.3%増えると予想していた。
一方、メキシコ中央銀行が今月2日に発表した民間エコノミストに対する調査では、25年のGDP予想(中央値)は0.2%増にとどまった。
メキシコの5月上旬の消費者物価指数(CPI)は前年同月比4.22%上昇し、ロイターの市場予想の4.01%を上回った。中銀目標の2―4%も上回った。
中銀は15日の金融政策会合で、経済活動の低迷を理由として政策金利を50ベーシスポイント(bp)引き下げることを決めた。
インフレ率が急拡大しているものの、アクティンバー、パンテオン、キャピタル・エコノミクスのアナリストはいずれも中銀が6月の金融政策会合でも追加利下げを決めると予想している。
キャピタル・エコノミクスのキンバリー・スペルフェヒター氏は「中銀は先週の会合でも再びハト派的な発言をしており、経済成長の見通しに対する懸念が高まっていることを非常に鮮明にした」と言及した。