イスラエル軍、支援物資積んだトラック100台のガザ入り認める

5月21日、イスラエル軍はパレスチナ自治区ガザに小麦粉やベビーフード、医薬品などの人道支援物資を積んだ100台のトラックが入るのを認めたと発表した。写真は同日、ガザで食料の配布を待つ人々(2025年 ロイター/Mahmoud Issa)
[カイロ/エルサレム 21日 ロイター] - イスラエル軍は21日、パレスチナ自治区ガザに小麦粉やベビーフード、医薬品などの人道支援物資を積んだ100台のトラックが入るのを認めたと発表した。
今年3月にイスラエルは、イスラム組織ハマスが民間人向け物資を横取りしていると主張し、ガザへの全ての物資搬入を阻止する措置を講じた。
これによってガザ市民が深刻な食料不足に陥り、飢餓の危険が迫ったため、イスラエルにガザでの停戦と物資搬入を許可するよう国際社会の圧力が強まっていた。
ネタニヤフ首相は、人質解放に向けた一時的な停戦には前向きだが、それ以外はガザ全域を掌握するために軍事作戦を続けるとの強硬姿勢を崩していない。ただイスラエルの野党政治家からは、このままでは同国は世界から孤立しかねないと懸念する声も出ている。
一方、これまでに搬入を認められた物資はまだガザの食堂やパン屋、市場、病院などには届いていないもようだ。
国連世界食糧計画(WFP)のカントリーディレクター、アントワーヌ・ルナール氏は「非常に限られた数のトラックによるこの支援はガザ市民の手元に全く到達していない」と語り、各市民へ安全に配給されるまでは、ガザ市民の約4分の1が飢餓のリスクにさらされ続けると警告した。
ただ複数の国連関係者によると、治安上の理由でケレムシャローム検問所の物流拠点で足止めされていた支援物資は、21日遅くになって自由に移動できる兆しが見えてきたという。