教皇選挙参加の全枢機卿がローマ到着、有力候補の偽情報も錯そう

ローマ教皇庁(バチカン)は5日、新教皇を決める選挙(コンクラーベ)に参加する予定の枢機卿133人全員がローマに到着したと発表した。(2025年 ロイター/Murad Sezer)
[バチカン 5日 ロイター] - ローマ教皇庁(バチカン)は5日、新教皇を決める選挙(コンクラーベ)に参加する予定の枢機卿133人全員がローマに到着したと発表した。
フランシスコ教皇の後継者争いは混戦模様となっている。枢機卿の中には、より透明性が高く開かれた教会を目指すフランシスコ教皇の取り組みを引き継ぐ新教皇を求める者もいれば、教義を重視する伝統回帰を求める者もいる。
コンクラーベは世界各国の80歳以下の枢機卿135人の投票により決定する。数日間にわたって行われることが多く、候補者が必要な4分の3の多数を獲得するまで複数回の投票が行われる。
バチカンの発表によると、スペインとケニア出身の枢機卿2人が健康上の理由でコンクラーベに参加しない。またこの日は、教会内の分裂に対する「強い懸念」が議論されたという。これは、フランシスコ教皇が同性カップルへの祝福を認めたことや、教会における女性の役割の拡大を指している可能性がある。
これまでの教皇選挙でも、結果に影響を与えようとする外部からの試みは少なくなかった。今回はソーシャルメディア上にフェイクニュースが流れる事例があった。
1日には、米国の右派カトリック系ソーシャルメディアやイタリアの保守系新聞のウェブサイトで、有力候補であるピエトロ・パロリン枢機卿(70)が健康を害し、治療が必要になったとの報道が流れた。バチカンの報道官は、これらの報道は全くの虚偽だと述べた。
また、フィリピンのルイス・アントニオ・タグレ枢機卿が2019年にジョン・レノンの「イマジン」の一部を歌っている6年前の動画がソーシャルメディア上に公開され、保守系のソーシャルメディアがタグレ氏を異端だと非難する事態となった。タグレ氏の支持者たちは、同氏が「天国も宗教もない」という歌詞を除いた短縮版を歌ったと反論している。