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韓国の山火事死者18人に、強風で拡大 消火中ヘリが墜落

2025年03月26日(水)16時50分

韓国南東部で複数の山火事が猛威を振るう中、政府は3月26日、少なくとも18人が死亡したと発表した。1万5000ヘクタール以上に被害が及び、数千人の消防士が軍の支援を受けて消火に当たっている。25日撮影。聯合ニュース提供(2025年 ロイター)

Minwoo Park Ju-min Park

[義城郡(韓国) 26日 ロイター] - 韓国南東部で複数の山火事が猛威を振るう中、政府は26日、少なくとも18人が死亡したと発表した。1万5000ヘクタール以上に被害が及び、数千人の消防士が軍の支援を受けて消火に当たっている。

政府によると、強風と乾燥した天候で火災が急速に広がり、2万7000人以上が避難を余儀なくされている。また、学校が閉鎖され、当局は刑務所から数百人の受刑者を移送するなどの対応も強いられた。

韓悳洙大統領代行は「あらゆる人員と装備を投入しているが、状況は良くない」と述べた。在韓米軍も支援しているという。

行政安全省によると、26日午前5時までに、義城郡で発生した山火事で14人が死亡し、山清郡で発生した別の山火事でさらに4人が死亡した。

森林災害専門家は、義城郡の火災の鎮火率は68%にとどまり、突風でさらに悪化していると指摘した。

安全省は、山火事が発生した地域では、今後も乾燥した状態が続くと予想されるとしている。

専門家は、気候変動は世界的に山火事の頻度を高めると予測されていると指摘。1月にロサンゼルスの一部を襲った山火事や、日本の東北地方で最近起きた山火事を例に挙げた。

「大規模な山火事が増加することは認めなければならず、そのためにはより多くの資源と訓練された人手が必要だ」とロイターに語った。

韓国は山がちな地形のため、山火事の消火をヘリコプターに頼っているが、専門家は、夜間でも活動できる他の消火航空機やドローン(無人機)を導入する必要があるとの考えを示した。

韓国森林公社は、山火事の消火活動にあたっていたヘリコプターが墜落したため、全ての消火ヘリの運用を停止したと発表した。聯合ニュースによると、墜落したヘリの操縦士は死亡した。当局は事故原因を調査している。

市当局者によると、世界遺産に登録されている安東市の河回村や屏山書院なども危険にさらされている。

聯合ニュースは681年建立の古代寺院が既に全焼したと報じた。

ロイター
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