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ゼレンスキー氏「ロシアは言行不一致」、米ロ会談後も相互攻撃やまず

2025年03月20日(木)00時43分

米ロ首脳が電話会談を行い、ロシアがウクライナのエネルギー施設やインフラに対する攻撃を30日間停止することで合意した後も、相互の攻撃は続いているもよう。写真は2月、ウクライナの首都キーウで撮影(2025年 ロイター/Valentyn Ogirenko)

[19日 ロイター] - 米ロ首脳が電話会談を行い、ロシアがウクライナのエネルギー施設やインフラに対する攻撃を30日間停止することで合意した後も、相互の攻撃は続いているもよう。

ロシアが南部の石油貯蔵所に攻撃を受けたとする一方、ウクライナは病院や住宅が攻撃され一部の鉄道の電力供給が停止したと発表した。

ウクライナのゼレンスキー大統領は19日、攻撃が続いていることはロシアの言動が一致していないことを示し、ロシアには依然として和平の準備ができていないと述べた。また、米国が中心になって監視を担当すべきだと述べた。

ただロシア側は、ウクライナに向かっていた無人機(ドローン)7機を自ら撃墜するなど、ウクライナのエネルギーインフラに対する攻撃計画を中止したと述べた。それに対しウクライナ側が攻撃を中止しなかったのは合意を妨害する試みだと非難した。

ロシア大統領府(クレムリン)のペスコフ報道官は、プーチン大統領とトランプ大統領はお互いをよく理解しており、ひどく損なわれた関係を修復する決意をしていると述べた。

<欧州の警戒>

トランプ米大統領によるロシアのプーチン大統領への働きかけは、欧州の同盟国を不安にさせている。

欧州の一部首脳は、プーチン大統領が全面停戦提案を拒否したことはロシアが平和を求めていない証拠だと懸念を表明している。ドイツのピストリウス国防相は「この極めて重要なはずの電話会談から一夜明けても、民間インフラへの攻撃はやんでいない。プーチン大統領はここでゲームをしているだけだ」と批判。ウクライナのエネルギー施設への攻撃を一時停止するという提案は「何の意味も持たず」、トランプ大統領はさらなる譲歩を勝ち取らなければならないと述べた。

一方、他の同盟国からはやや期待する声も上がっている。イタリアのタヤーニ外相は、米ロ首脳の電話会談は「最初の一歩であり、交渉が始まったらどうなるかはこれからだ」と指摘。両国がサウジアラビアで和平を巡り会合を開くことに望みをかけた。

ロイター
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