ニュース速報
ワールド

トランプ氏、メキシコとカナダに25%関税検討 2月1日に実施も

2025年01月21日(火)14時01分

 1月20日、トランプ米大統領は、カナダとメキシコが多数の移民や合成麻薬「フェンタニル」の米国への流入を容認しているとし、両国からの輸入品に25%の関税を課すことを検討していると述べた。ホワイトハウスで撮影(2025年 ロイター/Carlos Barria)

David Lawder Andrea Shalal Jarrett Renshaw

[ワシントン 20日 ロイター] - トランプ米大統領は20日、就任後にすぐさま関税を発動することは見送ったものの、カナダとメキシコが多数の移民や合成麻薬「フェンタニル」の米国への流入を容認しているとし、両国からの輸入品に25%の関税を2月1日に課すことを検討していると述べた。

連邦政府機関に対し、米国の貿易赤字や不公正な貿易慣行、他国による為替操作疑惑を調査するよう指示。大統領メモによると、巨額の貿易赤字がもたらす経済・国家安全保障上のリスクを調査し、「適切な措置」を提言することも求めている。

投資家や外国資本はトランプ氏が公約していた就任初日の関税発動に身構えていた。

カナダのルブラン財務相はオタワで記者団に対し、米国が関税を課すよりも2国間の貿易関係を調査するとしたことは前向きな一歩だと述べた。

トランプ氏はホワイトハウスで、米国への全ての輸入品に一律の関税を課すかどうか記者団から尋ねられると「そうかもしれない。しかし、その準備はまだできていない」と答えた。

また、関税かエネルギー輸出の増加によって米国の対欧州連合(EU)貿易赤字を反転させたいとも述べた。

関税は新機関「外国歳入庁」が徴収するという。

トランプ氏はその後、ワシントンのキャピタル・ワン・アリーナで支持者を前に「関税はわれわれをものすごく豊かにするだろう」と語った。「去っていったわれわれの国のビジネスが戻ってくるだろう」とも述べた。

<対中通商>

トランプ大統領の通商メモでは、2年近くに及んだ中国との関税戦争を終結させるため2020年に自身が署名した「第1段階」貿易協定に基づく中国の履行状況を評価するよう米通商代表部(USTR)に求めている。

同協定は中国が米国産品の購入を2年間で2000億ドル増やすことを要求していたが、新型コロナウイルスの世界的大流行のため、中国は目標を達成できなかった。

メモによると、USTRは「必要に応じて関税やその他の措置の発動を含む」適切な措置を報告するという。

メモはまた、USTRに対し、中国の最恵国待遇の変更の可能性を勧告し、「不合理または差別的で、米国の通商に負担や制限を与える可能性のある」その他の中国の経済的慣行を調査することも求めている。

さらに、トランプ氏は中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国内での禁止を延期する大統領令に署名したものの、TikTokとの潜在的な米国取引(ディール)を中国が承認しなければ同国に関税を課す可能性があると述べた。

メモはこのほか、自由貿易協定「米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」を巡る26年の見直しに備えて公開協議を開始し、米国の労働者、農家、牧場主、サービス業者への影響を評価するようUSTRに求めている。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、シリア制裁解除で大統領令 テロ支援国家

ビジネス

ECBの次回利下げ、9月より後になる公算=リトアニ

ワールド

トランプ氏、日本に貿易巡る書簡送付へ 「コメ不足な

ワールド

米政権がロス市提訴、ICE業務執行への協力制限策に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とんでもないモノ」に仰天
  • 3
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。2位は「身を乗り出す」。では、1位は?
  • 4
    「パイロットとCAが...」暴露動画が示した「機内での…
  • 5
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 6
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引き…
  • 7
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 8
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 9
    飛行機のトイレに入った女性に、乗客みんなが「一斉…
  • 10
    顧客の経営課題に寄り添う──「経営のプロ」の視点を…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 7
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 8
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中