EU、マスク氏所有のXの調査強化発表 トランプ米政権発足控え

欧州連合(EU)欧州委員会は17日、米実業家イーロン・マスク氏が所有するソーシャルメディア(SNS、交流サイト)のX(旧ツイッター)に対し、巨大IT規制のデジタルサービス法(DSA)に基づく調査を強化し、文書を要請して関連情報の保存を命じると発表した。2023年7月、カリフォルニア州サンフランシスコで撮影(2025年 ロイター/Carlos Barria)
[ブリュッセル 17日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会は17日、米実業家イーロン・マスク氏が所有するソーシャルメディア(SNS、交流サイト)のX(旧ツイッター)に対し、巨大IT規制のデジタルサービス法(DSA)に基づく調査を強化し、文書を要請して関連情報の保存を命じると発表した。EUの法規制に違反したかどうかを調べる。
欧州委は2023年12月から調査している。今回の措置では、コンテンツを推奨するシステムに関する内部文書と最近の変更点を25年2月15日までに提出するよう求めたほか、推奨アルゴリズムの設計と機能の今後の変更に関する内部情報を25年末まで保管するよう命じた。
コンテンツ管理などの調査のため、情報伝達上の特定の技術へのアクセスも求めた。
今月20日に米大統領に返り咲くトランプ氏は、EUのさまざまな政策に批判的な姿勢を示している。トランプ氏と関係が近いとされるマスク氏は、これまでEU規制当局と衝突を繰り返してきた。
マスク氏はドイツの極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」への支持を表明するなどしている。欧州の一部の政治家がマスク氏の選挙への干渉を非難する一方、マスク氏はそうした批判は民主主義と言論の自由に対する侮辱だと主張している。
欧州委は、マスク氏が自由に意見を述べることができ、政治家との対話のライブ中継も行えるが、アルゴリズムによって単一の見方が助長されることなどによって公正な選挙にリスクをもたらしていないかを精査すると指摘した。