ニュース速報
ワールド

米次期政権中東特使がカタール、イスラエル両国首相と会談

2024年12月05日(木)09時25分

 トランプ米次期大統領が中東担当特使に起用すると発表した実業家のスティーブ・ウィトコフ氏(写真)が11月に中東を訪れ、カタールのムハンマド首相兼外相、イスラエルのネタニヤフ首相と個別に会談したことが12月4日分かった。10月27日、ニューヨークで撮影(2024年 ロイター/Andrew Kelly)

Andrew Mills Humeyra Pamuk Matt Spetalnick

[ドーハ/ブリュッセル/ワシントン 4日 ロイター] - トランプ米次期大統領が中東担当特使に起用すると発表した実業家のスティーブ・ウィトコフ氏が11月に中東を訪れ、カタールのムハンマド首相兼外相、イスラエルのネタニヤフ首相と個別に会談したことが分かった。情報筋が明らかにした。トランプ氏の1月20日の就任を控え、パレスチナ自治区ガザでの停戦と、イスラム組織ハマスにガザで拘束された人質の解放に向けた外交に乗り出した形だ。

情報筋は、この会談はカタールが重要な仲介役に復帰したことを示していると指摘。ハマスの交渉担当者らが「近いうちに」協議のためにカタールの首都ドーハを訪れる可能性が高いと語った。

米政府高官はトランプ陣営が中東当局者らと連絡を取っていることを認め、「彼らはガザ停戦を支持している」とロイターに語った。

ウィトコフ氏は11月22日、ムハンマド氏とドーハで会談した。会談について説明を受けた情報筋は、「トランプ次期政権の発足後にガザおよび地域の安定化といった他の問題に移れるようにするため、ガザでの停戦がトランプ氏の就任前に必要だという認識で双方が合意した」と説明した。

カタール外務省は、ロイターの確認とコメントの要請に応じなかった。

ウィトコフ氏は続いて11月23日、イスラエルでネタニヤフ氏と会談。イスラエル首相府はロイターのコメント要請に即座に応じなかった。

イスラエル当局者はロイターに対し、ウィトコフ氏がイスラエルの人質の家族にも面会したことを明らかにした。ウィトコフ氏について「トランプ氏のチームが政権発足前に取引を仲介しようと努力していると話していた」と説明した。

トランプ氏は今月2日、ガザで拘束された人質が自身の就任日までに解放されなければ、中東で「地獄を見ることになる」と警告した。

トランプ氏の政権移行チームとウィトコフ氏の代理人は、会談についてコメント要請にすぐには回答しなかった。

米国家安全保障会議(NSC)は、最近数週間のウィトコフ氏のカタールとイスラエルへの訪問を把握していたかどうかとの質問にすぐに答えなかった。

ウィトコフ氏は不動産投資家で、トランプ陣営の献金者となっている。カタールなどの湾岸諸国とビジネス上のつながりがあるが、外交経験はない。

カタールは米国、エジプトとともに何カ月間も間接的な交渉に携わってきたが、目立った成果は出ていない。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ホンジュラス大統領選、トランプ氏支持のアスフラ氏勝

ワールド

北朝鮮の金総書記、24日に長距離ミサイルの試射を監

ビジネス

訂正米アップルCEOがナイキ株の保有倍増、再建策を

ビジネス

仮想通貨交換コインベース、予測市場企業を買収 事業
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 2
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足度100%の作品も、アジア作品が大躍進
  • 3
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 4
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 5
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 8
    ゴキブリが大量発生、カニやロブスターが減少...観測…
  • 9
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 10
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 4
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 7
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中