ニュース速報
ワールド

ロシア軍情報機関、英国と欧州で「騒乱」企図=英MI5トップ

2024年10月09日(水)01時19分

英情報局保安部(MI5)のマッカラム長官(写真)は8日、英国への脅威に関する年次演説で、ロシア軍の情報機関は英国と欧州で「騒乱」を引き起こそうとしているとの認識を示した。2020年10月、ロンドンで撮影(2024年 ロイター/UK Government/Handout via REUTERS)

Michael Holden

[ロンドン 8日 ロイター] - 英情報局保安部(MI5)のマッカラム長官は8日、英国への脅威に関する年次演説で、ロシア軍の情報機関は英国と欧州で「騒乱」を引き起こそうとしているとの認識を示した。国際武装組織アルカイダと過激派組織「イスラム国(IS)」からの脅威の高まりが最大の「テロの懸念」だと表明した。英国内を対象とする相次ぐ攻撃計画の背後にイランがいるとも非難した。

マッカラム氏によると、昨年の英国への国家的な脅威に対する調査件数は48%増えた。ロシアとイランが犯罪者や麻薬密売人、代理人を使って「汚い仕事」を実行しようとしているためだという。2017年3月以来、MI5と警察はこうした計画が実行への最終段階にあった43件を阻止した。最終段階にあった複数の大量殺人計画も含まれるという。

マッカラム氏は、最も懸念しているのは中東紛争に乗じようとしているアルカイダと、イスラム国による脅威の深刻化だと指摘した。

ただ、マッカラム氏は8日の演説で、ロシアとイランによる国家的な脅威により重点を置いた。ロシアのウクライナ侵攻以来、欧州からロシアの外交官750人超が追放され、今年に入って最後のロシア軍情報機関員が英国から追放されたものの、ロシアの国家機関が代理組織などに請け負わせていることは注目されると指摘。「ロシア軍情報総局は英国や欧州で騒乱を起こすという継続的な任務を負っており、放火や破壊工作などが起きている。危険な行為が一層無謀に実行されている」とした。詳細については言及しなかった。

22年1月以降、イランが支援し、英国民などの命に関わるような脅威をもたらす恐れのある20件の計画にMI5と警察が対応したことも紹介。こうした攻撃計画が「英国では前例のないペースで次々と発生している」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

サマーズ氏、公的活動から退くと表明 「エプスタイン

ワールド

米シャーロットの移民摘発、2日間で130人以上拘束

ビジネス

高市政権の経済対策「柱だて」追加へ、新たに予備費計

ビジネス

アングル:長期金利1.8%視野、「責任ある積極財政
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国か
  • 3
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 4
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235…
  • 9
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 10
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 10
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中