ニュース速報
ワールド

岸田首相、北朝鮮との首脳会談に意欲 バイデン氏と連携確認へ

2024年04月05日(金)17時26分

 4月5日 岸田文雄首相(写真)は5日、ロイターなど外国メディアの取材に応じ、北朝鮮との間に抱える懸案解決に向けて金正恩朝鮮労働党総書記との会談に改めて意欲を示した。写真は5日、都内で撮影(2024年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

Yukiko Toyoda

[東京 5日 ロイター] - 岸田文雄首相は5日、ロイターなど外国メディアの取材に応じ、日本人拉致問題や核・ミサイル開発など北朝鮮との間に抱える懸案解決に向けて金正恩朝鮮労働党総書記と会談することに改めて意欲を示した。米ワシントンで来週会談するバイデン大統領と日米、日米韓の連携を確認したいと語った。

岸田首相は「日朝において実りある関係を樹立することは双方にとっての利益だけでなく、地域の平和・安定に大きく寄与するもの」と強調。交渉に影響を与えるとして「具体的に取り組みの詳細を申し上げるのは今は控えなければならない」とする一方、「バイデン大統領との間で北朝鮮との関係について意見交換したい」と述べた。

また、岸田首相は訪米時に3カ国首脳会談を開く米国、フィリピンとの連携の重要性を強調した。フィリピンは中国との間で南シナ海の領有権問題が深刻化。岸田首相は「自由で開かれたインド太平洋を実現していく上でフィリピンは重要なパートナー」とし、「日米同盟を基軸としながらフィリピンをはじめとする同志国と連携していくことが地域の平和と安定にとって重要と考えている」と語った。

日米の軍事協力については、自衛隊と米軍がそれぞれ指揮系統を維持した上で「連携の強化を検討している」とした。自衛隊が常設の統合司令部を設置するのに対し、「米側においても在日米軍の指揮系統の見直しについて議論がされていると承知しているが、日米の統合指令部を創設するということではなく、あくまでそれぞれ独立した指揮系統に基づいて運営していく」と述べた。

岸田首相は、防衛産業でも米国、友好国と協力を進める考えを示した。ロシアのウクライナ侵攻で西側の弾薬不足などが明らかになっており、岸田首相は「防衛装備や技術協力、安全保障上の協力を推進していく。このネットワークを重層的に構築していくとともにそれを拡大し、抑止力を強化していく」と語った。

(豊田祐基子、久保信博 編集:橋本浩)

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

スイス中銀、ゼロ金利を維持 米関税引き下げで経済見

ワールド

ノーベル平和賞のマチャド氏、「ベネズエラに賞持ち帰

ワールド

ドイツ経済、低成長続く見通し 財政拡大でも勢い限定

ビジネス

IEA 、来年の石油供給過剰の予測を下方修正
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア空軍の専門家。NATO軍のプロフェッショナルな対応と大違い
  • 2
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡大、そもそもの「停戦合意」の効果にも疑問符
  • 3
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎の物体」の姿にSNS震撼...驚くべき「正体」とは?
  • 4
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 5
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキン…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 8
    「正直すぎる」「私もそうだった...」初めて牡蠣を食…
  • 9
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 10
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中