ニュース速報
ワールド

英財務相、国民保険料率引き下げ 総選挙控え家計の負担軽減

2024年03月07日(木)08時19分

英国のハント財務相は6日、議会での春季財政報告(春の予算編成方針)で、労働者が納める国民保険料の料率を賃金の2%ポイント分引き下げる方針を打ち出した。ロンドンで撮影(2024年 ロイター/Toby Melville)

David Milliken Kylie MacLellan

[ロンドン 6日 ロイター] - 英国のハント財務相は6日、議会の春季財政報告(春の予算編成方針)で、労働者が納める国民保険料率を2%ポイント引き下げると発表した。引き下げはこの3カ月余りで2度目。

年内に見込まれる総選挙を控え、スナク首相が率いる保守党は支持率の回復を狙っている。

児童手当の対象を拡大するほか、燃料税を凍結し、酒税の一部減免や低所得世帯の支援を延長する方針も示した。生活費高騰に直面する国民の負担軽減策の規模は139億ポンドに上った。

ハント氏は「一時的な生活費支援だけでなく、恒久的な負担軽減で家計を支援する」と表明した。

金融市場は予算案にほとんど反応を示さなかった。2022年9月にトラス前首相が減税の発表で市場を混乱させた状況とは対照的となった。

みずほのシニアエコノミスト、コリン・アッシャー氏は予算案に「地味だが妥当な項目が多数盛り込まれたものの、経済あるいは政治的に目立った変化をもたらす内容はなかった」と指摘した。

予算案によると、国民保険料軽減などの財源を確保するため、エネルギー企業の追加課税を1年延長するほか、電子たばこやたばこの税率を引き上げる。また、エコノミークラス以外の航空券も増税の対象とする。

さらに、英国に「非定住者」として4年以上住む外国人の国外所得にも課税する。

予算責任局(OBR)による24年の経済成長率見通しは0.8%で、昨年11月時点の0.7%から小幅に上方修正した。25年も1.9%に引き上げ、26年は2.0%と予想した。

インフレ率は数カ月以内に2%を割り込む水準に低下すると見込んだ。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中台関係の推移を注視、平和的解決を期待=中国の軍事

ビジネス

シンガポールGDP、第1四半期は前年比2.7%増 

ワールド

中国軍、台湾周辺で軍事演習開始 新総統の就任後

ビジネス

中国超長期国債の取引停止、価格急落受け深セン証取
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:スマホ・アプリ健康術
特集:スマホ・アプリ健康術
2024年5月28日号(5/21発売)

健康長寿のカギはスマホとスマートウォッチにあり。アプリで食事・運動・体調を管理する方法

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    能登群発地震、発生トリガーは大雪? 米MITが解析結果を発表

  • 2

    ウクライナ悲願のF16がロシアの最新鋭機Su57と対決するとき

  • 3

    「目を閉じれば雨の音...」テントにたかる「害虫」の大群、キャンパーが撮影した「トラウマ映像」にネット戦慄

  • 4

    「天国にいちばん近い島」の暗黒史──なぜニューカレ…

  • 5

    高速鉄道熱に沸くアメリカ、先行する中国を追う──新…

  • 6

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された─…

  • 7

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 8

    魔法の薬の「実験体」にされた子供たち...今も解決し…

  • 9

    黒海沿岸、ロシアの大規模製油所から「火柱と黒煙」.…

  • 10

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気を失った...家族が語ったハマスによる「拉致」被害

  • 4

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 7

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 8

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 9

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『…

  • 10

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中