ニュース速報
ワールド

NATO各国、結束・冷静表明 「トランプ氏発言はロシア利する」

2024年02月13日(火)03時29分

オランダのオロングレン国防相は12日、トランプ前米大統領が北大西洋条約機構(NATO)加盟国をロシアによる侵攻から防衛しない可能性があると述べたことについて、「まさにロシアのプーチン大統領が聞きたい発言」という認識を示した。2021年10月撮影(2024年 ロイター/Pascal Rossignol)

[ハーグ/ヘルシンキ/ブリュッセル  12日 ロイター] - オランダのオロングレン国防相は12日、トランプ前米大統領が北大西洋条約機構(NATO)加盟国をロシアによる侵攻から防衛しない可能性があると述べたことについて、「まさにロシアのプーチン大統領が聞きたい発言」という認識を示した。

11月の米大統領選で共和党候補となる公算の大きいトランプ氏は10日に南部サウスカロライナ州で開いた選挙集会で、過去に会談したNATOの主要加盟国の首脳から、もし同国が拠出金を払わず、かつロシアから攻撃を受けた場合に、米国が防衛してくれるかとの質問をされたと言及。「私はあなた(の国)を防衛しない。逆に、彼らに好きなようにするよう伝えるだろう。拠出金は払わなければならない」と回答したとした。

オロングレン氏はロイターに対し、「われわれの強さは結束だ。結束しなければ弱体化する。それがプーチン大統領の望んでいることだ」と語った。

トランプ氏がこのような発言をすることが初めてではいないとしつつも、「NATO加盟国に対し現実的な脅威が存在する中、主要な人物によるこのような発言は憂慮すべきもの」と述べた。

ロシアと国境を接するフィンランドのストゥブ次期大統領は、米大統領選で使用されるレトリックは激しいとした上で、「フィンランドは冷静さを保ち、NATO加盟に専念することが最善策」という見解を示した。

また、バルト3国の1つであるエストニアのカラス首相は、トランプ氏の発言は「防衛費拠出に大きく寄与してこなかったNATO加盟国に対する警鐘になるだろう」と述べた。

カラス首相と共同会見した欧州議会のメツォラ議長も、欧州連合(EU)は防衛に向けた拠出を拡大すべきという認識を示した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米証券決済「T+1」が始動、一時的なフェイル増加な

ワールド

スペインなど3カ国、パレスチナ国家を正式承認 EU

ワールド

イスラエル、ラファ中心部に戦車到達 難民キャンプ砲

ビジネス

ヘス株主がシェブロンの買収案承認、ガイアナ油田権益
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
2024年6月 4日号(5/28発売)

強硬派・ライシ大統領の突然の死はイスラム神権政治と中東の戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    中国海軍「ドローン専用空母」が革命的すぎる...ゲームチェンジャーに?

  • 2

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像をウクライナが公開...シャベルで応戦するも避けきれず

  • 3

    メキシコに巨大な「緑の渦」が出現、その正体は?

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    汎用AIが特化型モデルを不要に=サム・アルトマン氏…

  • 6

    プーチンの天然ガス戦略が裏目で売り先が枯渇! 欧…

  • 7

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃…

  • 8

    なぜ「クアッド」はグダグダになってしまったのか?

  • 9

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 10

    ハイマースに次ぐウクライナ軍の強い味方、長射程で…

  • 1

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発」で吹き飛ばされる...ウクライナが動画を公開

  • 2

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像をウクライナが公開...シャベルで応戦するも避けきれず

  • 3

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃がのろけた「結婚の決め手」とは

  • 4

    ウクライナ悲願のF16がロシアの最新鋭機Su57と対決す…

  • 5

    黒海沿岸、ロシアの大規模製油所から「火柱と黒煙」.…

  • 6

    戦うウクライナという盾がなくなれば第三次大戦は目…

  • 7

    能登群発地震、発生トリガーは大雪? 米MITが解析結…

  • 8

    中国海軍「ドローン専用空母」が革命的すぎる...ゲー…

  • 9

    「天国にいちばん近い島」の暗黒史──なぜニューカレ…

  • 10

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された─…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 4

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 5

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 6

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 7

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 8

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 9

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中