ベトナム、23年成長率5.05%に減速 政府目標に届かず

12月29日、ベトナム統計総局は、2023年の成長率が5.05%だったと明らかにした。写真はベトナムのハイフォンにある工場で昨年9月撮影(2023 ロイター/Thinh Nguyen)
Khanh Vu
[ハノイ 29日 ロイター] - ベトナム統計総局は29日、2023年の成長率が5.05%だったと明らかにした。昨年の8.02%から鈍化し、政府目標の6.5%を下回った。過去10年間の平均5.87%も下回った。
23年の輸出は前年比4.4%減の3555億ドル。最大の外貨獲得源であるスマートフォンの輸出は8.3%減少した。
鉱工業生産指数は前年比1.5%上昇、平均消費者物価は3.25%上昇、小売売上高は9.6%増加した。
「今年の成長率は政府目標の6.5%を下回ったものの、プラスであり、ベトナムは地域および世界で最も経済成長の高いグループに入った」と統計総局は述べた。
輸入は8.9%減の3275億ドルで、貿易収支は280億ドルの黒字となった。大幅な貿易黒字は通貨ドンの支援材料になるが、輸入の減少は今後数カ月の製造活動の鈍化につながる可能性がある。
ベトナム中央銀行は経済の支援に向け政策金利を今年4回、150ベーシスポイント(bp)引き下げた。しかし中銀のデータによると、与信の伸びは11月末時点で8.2%と目標の14%を大幅に下回った。
政府は、輸出が低迷するなか、景気テコ入れへ付加価値税引き下げの延長を決め、インフラ投資を加速させようとしている。ただ腐敗撲滅対策の強化で公共投資は停滞している。
計画投資省によると、11月末までの1年間の公的支出は461兆ドン(189億8000万ドル)の見込みで、年間目標の65%にとどまる。
統計総局によると、第4・四半期の国内総生産(GDP)は前年比6.72%増。第3・四半期の5.47%増(5.33%増から上方改定)、前年同期の5.92%増を上回った。
ベトナム議会が11月に承認した来年の政府目標はGDP成長率が6.0─6.5%、インフレ率は4.0─4.5%。