ニュース速報

ワールド

アジアで水力発電量急減、化石燃料依存が拡大 異常気象などで

2023年09月22日(金)13時59分

アジア地域では中国やインドをはじめ各国で水力の発電量が急速に落ち込む一方、化石燃料の発電量が増えていることが、シンクタンクのデータなどから明らかになった。写真は中国雲南省にある白鶴灘水力発電所。2021年6月撮影(2023年 cnsphoto via REUTERS)

Sudarshan Varadhan Ashley Fang

[シンガポール 22日 ロイター] - アジア地域では中国やインドをはじめ各国で水力の発電量が急速に落ち込む一方、化石燃料の発電量が増えていることが、シンクタンクのデータなどから明らかになった。当局が電力需要の変動や異常気象に翻弄され、化石燃料への依存を高めざるを得なくなっている現状が浮き彫りになった。

アジアでは中国北部やベトナム、インドの東部と北部などの広い範囲が熱波や雨不足など異常気象に見舞われ、主要国でこの数年、電力不足が生じている。

シンクタンクのエンバーのデータによると、アジアの今年1-7月の発電量は水力が17.9%減少したが、化石燃料による発電量は4.5%増えた。

中国国家統計局のデータを分析したところ、中国の水力発電量は1―8月に15.9%減り、少なくとも1989年以降で最も激しい落ち込みを記録した。

インドは政府データの分析から水力発電量が1―8月に6.2%減り、2016年以来の急激な減少となった。全発電量に占める水力の比率は9.2%と、少なくとも19年ぶりの水準に下がった。

半面、化石燃料の発電量は同期間に中国で6.1%、インドで12.4%増加した。

中国とインドの2カ国はアジアの全発電量の約4分の3を占めている。

エンバーや国際エネルギー機関(IEA)のデータによると、水力の発電量は中国やインドのほか、ベトナム、フィリピン、マレーシアなど他の主要国でも落ち込んでいる。

欧州の調査会社ライスタッド・エナジーの電力・ガス市場部長、カルロス・トーレス・ディアズ氏は、「アジアの発電は太陽光と風力が力強く伸びているにもかかわらず、水力は大幅に減少しており、その結果、化石燃料による電力供給も今年は増加している」と指摘。「この地域一帯で猛烈な熱波が長期間にわたって続いたためダムの水位が低下し、需要に対応するための水力に代わるエネルギー源が必要になった」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米総合PMI、2月は52.3に低下 昨年4月以来の

ワールド

米最高裁、トランプ政権の相互関税を違法と判断

ビジネス

米GDP、2025年第4四半期速報値は1.4%増に

ビジネス

米コアPCE価格指数、12月は前月比0.4%上昇 
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由...「落葉帰根」派も「落地生根」派も
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
  • 5
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 6
    ディープフェイクを超えた「AI汚染」の脅威──中国発…
  • 7
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 8
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 9
    中道「大敗北」、最大の原因は「高市ブーム」ではな…
  • 10
    「窓の外を見てください」パイロットも思わず呼びか…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 3
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」でソフトウェア株総崩れの中、投資マネーの新潮流は?
  • 4
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 5
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 6
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 7
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 8
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 9
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 10
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中