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ウクライナ、ポーランドなど3カ国をWTOに提訴 農産品禁輸で

ウクライナはウクライナ産農産物の禁輸措置を巡りポーランド、ハンガリー、スロバキアの3カ国を世界貿易機関(WTO)に提訴する予定だと、ウクライナ政府当局者が18日、明らかにした。 4月19日撮影(2023年 ロイター/Bernadett Szabo/File Photo)
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Julia Payne Yuliia Dysa
[ブリュッセル/キ―ウ 18日 ロイター] - ウクライナのユリヤ・スヴィリデンコ第一副首相兼経済発展・貿易相は18日、ウクライナ産農産物の禁輸措置を巡りポーランド、ハンガリー、スロバキアの3カ国を世界貿易機関(WTO)に提訴したと発表した。禁輸措置は国際義務に違反していると主張した。
ウクライナ政府はウェブサイトに声明を載せ、「個々の加盟国がウクライナ製品の輸入を禁止できないと証明することが非常に重要だ。そのためWTOを通じて提訴した」と指摘。3カ国が禁輸措置を撤廃することを望むとし、3カ国と連帯して農家の利益を守らなければならないとした。
欧州連合(EU)は15日、 ポーランド、ハンガリー、スロバキア、ブルガリア、ルーマニアの中東欧5カ国がウクライナ産穀物の輸入を禁じるのを認める措置を延長せず撤廃したが、このうちポーランド、ハンガリー、スロバキアの3カ国が同日、独自に制限すると表明した。3カ国は自国の経済と農家の利益のために行動しているとしている。
他のEU加盟国は3カ国の一方的な措置を批判。スペインの農相は18日、禁輸は違法に思えると述べ、フランスの農相も欧州の連帯に疑問を投げかけるものだと指摘した。
米政治専門サイトのポリティコは、ウクライナのタラス・カチカ通商代表がインタビューで、ポーランドが追加措置を取り下げなければ、ウクライナはポーランドからの果物や野菜の輸入にも相互措置を取る可能性があると述べたと報じている。
10月に議会選挙を控えるポーランドはさらに、近隣5カ国、ウクライナ、欧州委員会を含む、ウクライナ産穀物輸送を促進するための調整プラットフォームからも離脱。同国のテルス農相はブリュッセルで記者団に「ウクライナがポーランドを訴えると言っている以上、われわれは将来に目を向けなければならない。このプラットフォームでのわれわれの発言は全て、われわれに不利に働く可能性がある」と語った。
ルーマニアのチョラク首相は、輸入圧力が高まればウクライナ産穀物の禁輸を30日間延長することを検討すると表明。ルーマニアの農家に影響を与えた今年のような状況を繰り返したくないと語った。
ブルガリア議会は先週、ウクライナ産穀物禁輸措置の解除を決議した。