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ベラルーシ、ロシア戦術核の受け入れ表明 「NATOに対抗」

ベラルーシは28日、ロシアによる戦術核の配備を受け入れると表明した。ベラルーシが配備される戦術核を管理することはないため、核拡散防止条約(NPT)に違反しないとしている。写真は2月17日、モスクワ郊外で会談するベラルーシのルカシェンコ大統領(左)とロシアのプーチン大統領(右)(2023年 ロイター/Sputnik/Vladimir Astapkovich/Kremlin via REUTERS)
[ロンドン 28日 ロイター] - ベラルーシは28日、ロシアによる戦術核の配備を受け入れると表明した。ベラルーシが配備される戦術核を管理することはないため、核拡散防止条約(NPT)に違反しないとしている。
ロシアのプーチン大統領は25日、ベラルーシに戦術核を配備することで合意したと表明。ベラルーシは、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の軍備増強など、長年にわたる欧米諸国の圧力への対応としてロシアの戦術核を受け入れるとした。
プーチン氏は配備の期日などの詳細は示さなかったが、ベラルーシが受け入れを表明したことで、ロシアが1991年のソ連崩壊以来初めて国外に核兵器を配備する可能性に道が開けた。
ベラルーシ外務省は声明で「過去2年半にわたりベラルーシは米英のほか、NATO同盟国や欧州連合(EU)加盟国から前例のない政治、経済、情報の圧力を受けてきた」とし、ロシアによる戦術核配備は、ルカシェンコ政権の転覆を目的とした米国とその同盟国による圧力に対する保護になると表明。「国家安全保障上の正当な懸念とリスクを踏まえると、ベラルーシは自国の安全保障と防衛能力を強化することで対応せざるを得ない」とした。
ルカシェンコ大統領はロシアとの「連合国家」構築を長らく進めており、ロシアによるウクライナ全面侵攻に自国の軍隊を参加させていないものの、昨年2月24日の侵攻開始時にロシア軍にベラルーシ領の使用を許可した。ルカシェンコ大統領は31日に国政演説を行う。