ニュース速報

ワールド

ミャンマー軍政、非常事態6カ月延長 主要都市で「沈黙スト」

2023年02月02日(木)00時45分

ミャンマー軍事政権はクーデターからちょうど2年を迎える1日、国営テレビを通じて非常事態宣言を6カ月間延長すると発表した。一部の都市ではクーデターに反対する市民らが外出を控える「沈黙のスト」が行われるなど抗議する動きが広がった。写真は同日、タイの首都バンコクのミャンマー大使館前で実施された抗議活動(2023年 ロイター/Athit Perawongmetha)

[1日 ロイター] - ミャンマー軍事政権はクーデターからちょうど2年を迎える1日、国営テレビを通じて非常事態宣言を6カ月間延長すると発表した。一部の都市ではクーデターに反対する市民らが外出を控える「沈黙のスト」が行われるなど抗議する動きが広がった。

国軍トップのミンアウンフライン総司令官は国防安全保障理事会(NDSC)との31日の会合で、複数政党による選挙は「国民が望むように」実施されなければならないと指摘。ただ、具体的な日程は示さなかった。

軍事政権は今年8月に選挙を実施するとしていたが、非常事態宣言下では選挙は実施できない。一部では、いかなる選挙も軍が権力を保持することを目的とした見せかけのものである可能性が高いとの批判が出ている。

ミン・スエ大統領代行はミャンマーラジオテレビ局(MRTV)で放映された会議で、「憲法第425条によれば、(非常事態宣言は)2回しか認められないが、現在は異常な状況下であり、もう一度6カ月延長することが適切だ」と述べた。

デモ参加者や亡命者らは2日、軍の「違法な権力掌握」を終わらせると言明。主要な商業都市であるヤンゴンやマンダレーでは、クーデター反対派が軍事政権に対する「沈黙のスト」を実施し、人通りのない街並みの様子がソーシャルメディアに掲載された。民主化を求める活動家は午前10時から午後3時まで外出しないよう呼びかけた。

タイとフィリピンでも数百人規模の抗議活動が行われた。

ミャンマーでは2021年2月、ミャンマー国軍が国家顧問兼外相だった民主派指導者、アウンサンスーチー氏を拘束して政権を掌握。米国は31日、同盟国の英国、カナダ、オーストラリアと協調してミャンマーへの追加制裁を科した。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米ボーイング、エミレーツから380億ドルの受注 ド

ワールド

北朝鮮、米韓首脳会談の成果文書に反発 対抗措置示唆

ワールド

エプスタイン文書公開、18日に下院採決 可決ほぼ確

ビジネス

ワインスタイン氏のファンド、テック大手CDS取引で
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国か
  • 3
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地「芦屋・六麓荘」でいま何が起こっているか
  • 4
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235…
  • 7
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 8
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    経営・管理ビザの値上げで、中国人の「日本夢」が消…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 10
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中