ニュース速報

ワールド

米、コロナ入院数9万人超える 感謝祭で病院逼迫懸念

2020年11月28日(土)06時54分

11月27日、 米国で新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからない中、入院している感染者数が初めて9万人を超えた。入院患者数は過去1カ月で倍増し、病院の対応能力は逼迫。感謝祭の祝日で人の移動が増える中、状況悪化が懸念されている。写真は20日、米カンザス州病院で(2020年 ロイター/Callaghan O'Hare)

[ニューヨーク 27日 ロイター] - 米国で新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからない中、入院している感染者数が27日、初めて9万人を超えた。入院患者数は過去1カ月で倍増し、病院の対応能力は逼迫。感謝祭の祝日で人の移動が増える中、状況悪化が懸念されている。

米運輸保安局(TSA)によると、感謝祭の前日に当たる25日の航空旅客数は107万人を超え、1日の利用数としては新型ウイルス感染拡大開始以降で最多となった。20日から25日までの航空旅客数は約600万人。ただ、前年の同時期と比べると半分以下だった。

本格的な冬を迎える前に感染拡大を抑制するため、米国では20を超える州で飲食店の収容人数制限など、何らかの対策が導入されている。

ニューメキシコ州のグリシャム知事は27日、「新型コロナの感染拡大を許せば、集中治療室(ICU)が満床となり、医療従事者が不足するという現実に直面する」とツイッターに投稿した。

同州では27日時点で新型コロナ患者880人が入院中。ロックダウン(都市封鎖)措置も実施されており、不要不急の事業は全て閉鎖。州民には外出自粛が勧告されている。カリー郡のある病院では今週、ICUが満床となった。

また、この日は年末商戦の幕開けとされる「ブラックフライデー」だが、知事らはオンライン購入やカーブサイドピックアップ(ネットで注文し店舗駐車場で商品を受け取る)を活用するよう呼び掛けた。

ケンタッキー州のベッシャー知事はツイッターで「今年のブラックフライデーでは人混みを避け、自宅で購入することを忘れないでほしい。地元の小売店にはカーブサイドピックアップという選択肢があり、われわれの支援を必要としている」と述べた。

全米小売業協会(NRF)のシャイ最高経営責任者(CEO)は27日、パンデミック(世界的大流行)が経済や雇用の打撃となり、財政的に苦境に立たされている米国人が多いにもかかわらず、今年の年末商戦の支出額は過去最高になる見込みと指摘。消費対象が旅行や娯楽などの「コト消費」から家庭用品など「モノ消費」にシフトしているとした。

*情報を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

GMメキシコ工場で生産を数週間停止、人気のピックア

ビジネス

米財政収支、6月は270億ドルの黒字 関税収入は過

ワールド

ロシア外相が北朝鮮訪問、13日に外相会談

ビジネス

アングル:スイスの高級腕時計店も苦境、トランプ関税
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「裏庭」で叶えた両親、「圧巻の出来栄え」にSNSでは称賛の声
  • 2
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    アメリカを「好きな国・嫌いな国」ランキング...日本…
  • 5
    セーターから自動車まで「すべての業界」に影響? 日…
  • 6
    トランプはプーチンを見限った?――ウクライナに一転パ…
  • 7
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、…
  • 8
    『イカゲーム』の次はコレ...「デスゲーム」好き必見…
  • 9
    【クイズ】日本から密輸?...鎮痛剤「フェンタニル」…
  • 10
    日本人は本当に「無宗教」なのか?...「灯台下暗し」…
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 3
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 6
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 7
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 8
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 9
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 10
    孫正義「最後の賭け」──5000億ドルAI投資に託す復活…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中