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仏、外出禁止令の対象地域拡大 独は感染拡大国への渡航自粛勧告

新型コロナウイルス感染を巡り、フランスでは22日、夜間外出禁止令の対象が人口の約3分の2に拡大されたほか、ドイツでは、新規感染者数が初めて1万人を突破し、政府は感染が急拡大している近隣国への移動を控えるよう勧告した。オーストリア・ザルツブルクで21日撮影(2020年 ロイター/Leonhard Foeger)
[パリ/マドリード 22日 ロイター] - 欧州全体で新型コロナウイルス感染第2波が広がっている。フランスでは22日、夜間外出禁止令の対象が人口の約3分の2に拡大されたほか、ドイツでは新規感染者数が初めて1万人を突破し、政府は感染が急拡大している近隣国への移動を控えるよう勧告した。
フランスのカステックス首相は記者会見で、新型コロナ流行を巡る「状況は非常に深刻だ」とし、パリなど主要都市に先週課した外出禁止令を38カ所以上の地域に拡大すると表明。人口6700万人のうち4600万人に影響が及ぶ。
フランスでこの日確認された新規感染者数は4万1622人と過去最多。累計では99万9043人となった。
ドイツ政府は、スイス、アイルランド、ポーランド、オーストリアの大半、ローマを含むイタリアの複数地域を新型コロナのリスク地域に指定し、不要不急の旅行を控えるよう求めた。24日から施行される。
高リスクに指定された地域からの帰国者には10日間の隔離措置が義務付けられる。帰国後5日目からコロナ検査の受診が可能となり、陰性の場合は隔離措置が解除される。
国立感染症研究機関ロベルト・コッホ研究所(RKI)のウィーラー所長は「状況は総じて非常に深刻」と警告。同時に「感染拡大ペースを減速させるチャンスは残されている」と述べた。
ベルギーではコロナ検査で陽性が判明したウィルメス外相がICU(集中治療室)で治療を受けていることが明らかになったほか、スペイン保健相は「感染第2波は現実」で、国内の多くの地域で感染が「制御不可能」となっていると警告を発した。スペインの地方当局は外出禁止令を検討しているものの、まだ決定には至っていないという。
また、コロナ感染再拡大を背景に、ドイツではトイレットペーパーや消毒液の売り上げが増加傾向にある。
スウェーデンは唯一例外で、コロナ感染率低下を踏まえ、高齢者に求めていた自主隔離措置を解除した。スウェーデンはロックダウン(都市封鎖)を実施せず、国民の自主的な予防措置に任せる方針を取っていた。
欧州疾病予防管理センター(ECDC)のデータによると、欧州のコロナ感染者は累計530万人超、死者は20万4000人。
*内容を追加しました。