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成都の米総領事館、中国が接収 2国間の対立激化
中国外務省は27日、南西部・成都市の米国総領事館について、現地時間午前10時(日本時間午前11時)時点で閉鎖していると発表した。写真は領事館の出入り口に立つ警備員。7月26日撮影(2020年 ロイター/Thomas Peter)
[成都(中国) 27日 ロイター] - 中国外務省は27日、南西部・成都市の米国総領事館について、現地時間午前10時(日本時間午前11時)時点で閉鎖していると発表した。その後、当局者らが敷地内に入り、接収を終えたと明らかにした。
現地の警察は同日朝に周辺地域の交通を制限。午前10時24分(日本時間午前11時24分)ごろに防護具を装着した4人の当局者が徒歩で総領事館に向かっているのが見られた。
米国務省の報道官はロイターへの電子メールで「中国共産党の決定に失望している。われわれは他の拠点を通じてこの重要な地域の人々への活動を継続するよう努める」と表明した。
警察は正午ごろ成都領事館への通行を制限していた障害物を撤去。入り口付近の領事館のプレートが設置されていた場所は灰色のシートのようなもので被われた。
中国は24日、米政府がテキサス州ヒューストンの中国総領事館の閉鎖を命じたことへの対抗措置として、成都市の米総領事館の閉鎖を命じていた。米中両国の対立は一段と激化している。
在中国米大使館はツイッターに成都の総領事館に別れを告げる動画を投稿。「総領事館は1985年以来、米国人と四川、重慶、貴州、雲南、チベットの人々との相互理解を推進してきた」として「永遠に」喪失感が残るだろうとした。
中国中央テレビ(CCTV)は中国版ツイッター「微博(ウェイボ)」で、27日午前6時18分に総領事館の正面にある星条旗が降ろされる様子を記者が撮影した動画をシェアした。
成都総領事館のウェブサイトによると、同領事館は1985年に開設、現地採用スタッフ150人を含む約200人が勤務していた。ただ新型コロナウィルス感染症の流行で米外交官は中国から避難しており、閉鎖時に何人が働いていたかは明らかでない。
米中関係は貿易や技術、新型コロナウイルス感染拡大への対応、南シナ海の領有権問題、香港への統制強化を巡りここ数十年で最も悪化している。
*内容を追加しました。