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独バイエルン州議会選、与党CSUが大敗 メルケル政権に痛手
10月14日、同日投開票された独バイエルン州議会選で、メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)の姉妹政党である保守与党のキリスト教社会同盟(CSU)が大敗した。メルケル政権にとって痛手となる見通しだ。写真は同首相。ハーグで10日撮影(2018年 ロイター/Piroschka van de Wouw)
[ベルリン/ミュンヘン 14日 ロイター] - 14日に投開票された独バイエルン州議会選で、メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)の姉妹政党である保守与党のキリスト教社会同盟(CSU)が大敗した。メルケル政権にとって痛手となる見通しだ。
暫定開票結果によると、CSUの得票率は37.3%。同州でCSUが単独過半数を失うのは1962年以降で2回目。
緑の党は得票率を2倍以上に伸ばして17.8%を獲得し、第2党に躍進した。極右の「ドイツのための選択肢(AfD)」も10.7%で初めて議席を獲得した。
CDU・CSUと国政で大連立を組む中道左派・社会民主党(SPD)は9.5%にとどまった。
CSUはAfDとの連立の可能性を否定しており、11.6%を獲得した「Free Voters」と連立を組む可能性が高い。
米シンクタンク、アトランティック・カウンシルのプレジデント、フレッド・ケンペ氏は「政治的地震はバイエルン州で起きたが、余震を感じるのはベルリンだろう。メルケル時代の終わりをささやく声がいっそう強まる見込みだ」と述べた。
CSUのゼーホーファー党首は、100万人を超える移民・難民を受け入れたメルケル首相の2015年の決定以降、首相にとって悩みの種となっており、AfDの台頭に対抗するため、徐々にCSUの右傾化を進めた。
パッサウ大学の政治学者、マイケル・ワイグル氏は、連邦政府で内相を務めるゼーホーファー氏によるメルケル首相への個人攻撃や移民・難民に対する強硬な発言がCSUの敗北の原因だと指摘した。
ゼーホーファー氏はZDFで、党首を辞任するかとの質問に対し、可能性は排除しないが、党の敗北の原因の多くについて分析が必要だと述べた。
メルケル政権にとっては、今月28日に行われるヘッセン州議会選挙が次の試金石となる。CDUは第1党の座を維持する見通しだが、票は減ると予想されている。
CDUはその後12月に年次党大会を開く予定で、メルケル首相は党首再選を目指す。
*内容を追加しました。