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米政府機関閉鎖の可能性高まる、移民政策巡る協議行き詰まり

2018年01月17日(水)12時53分

 1月16日、移民政策に関する協議の行き詰まりを背景に共和、民主両党間に亀裂が生じる中、つなぎ予算の期限である19日までに新たな予算措置を議会で可決できずに政府機関が閉鎖に追い込まれるリスクが高まっている。写真は米議会議事堂前で昨年12月に撮影(2018年 ロイター/Joshua Roberts)

[ワシントン 16日 ロイター] - 移民政策に関する協議の行き詰まりを背景に共和、民主両党間に亀裂が生じる中、つなぎ予算の期限である19日までに新たな予算措置を議会で可決できずに政府機関が閉鎖に追い込まれるリスクが高まっている。ただ、米株式市場では閉鎖は回避されるとの見方が強い。

議会共和党は新たなつなぎ予算案を提出し、19日までの可決を目指す見通し。ただ、保守派は国防予算の大幅増額を求めており、民主党議員の多くは幼少期に親と不法入国した「ドリーマー」を強制送還から保護するための法案で進展がなければ新たな予算措置への支持を見送る可能性がある。

下院共和党は16日、2月16日までの新たなつなぎ予算案を検討した。ただ、民主党が求めるドリーマー救済措置は含まれない見通し。

上院議員の超党派グループは前週、ドリーマー救済法案で暫定合意したが、トランプ大統領は合意内容を拒否。トランプ氏は議員との会合で、下品な言葉を使ってアフリカ諸国を「不潔極まる」と表現したと報じられており、世論が反発する中で両党間の亀裂が深まった。トランプ氏は報道を否定している。

共和党のリンゼー・グラム上院議員は16日、ドリーマー救済措置(DACA)に関する超党派合意について、トランプ大統領の肯定的見解はホワイトハウスのスタッフによって変えられたとの見方を示した。

議会関係者らによると、下院共和党は16日夜に政府機関閉鎖回避に向けた話し合いを行う。

話し合いの結果、つなぎ予算を意味する「継続予算決議案」が可決されれば、昨年10月に2018会計年度が開始して以降で4回目となり、予算案の可決が困難な実態が浮き彫りとなる。

レイモンド・ジェームスのアナリスト、エド・ミルズ氏は新たなつなぎ予算が見込まれていると指摘。「今週は瀬戸際戦術が前面に打ち出され、政府機関閉鎖のリスクが高まるだろう。閉鎖が起きても市場が大きく反応するとはみていない」と述べた。

移民政策に関する協議を台無しにした責任があるとトランプ大統領から批判を受けている民主党のディック・ダービン上院議員は、17日に超党派の合意案を法案として提出する意向。広報官が明らかにした。ただ、審議されるかは現時点で不明。

トランプ氏はドリーマー救済措置を支持する用意はあるが、メキシコ国境の壁建設などの予算を今後の予算措置に盛り込む必要があるとの立場を変えていない。

トランプ氏はツイッターで「民主党は不法移民全員への在留資格付与と国境警備のために政府機関を閉鎖するつもりだ。最大の敗者は急速に増強されつつある軍だ。いつにも増して増強する必要があるのにだ」とつぶやいた。

*内容を追加し、カテゴリーを広げました。

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