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スイス中銀、為替介入は近隣窮乏化策に当たらず=ジョルダン総裁

2017年11月24日(金)08時17分

 11月23日、スイス国立銀行(中央銀行)のジョルダン総裁(写真)は、スイスフラン高の抑制を目指した大規模な為替介入は、貿易相手国の犠牲の下で自国経済を繁栄させる「近隣窮乏化策」には当たらないとの認識を示した。6月撮影(2017年 ロイター/Denis Balibouse)

[バーゼル 23日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行)のジョルダン総裁は、スイスフラン高の抑制を目指した大規模な為替介入は、貿易相手国の犠牲の下で自国経済を繁栄させる「近隣窮乏化策」には当たらないとの認識を示した。

総裁は23日開催のバーゼルでの会議に向けた準備原稿で、現在の低金利環境では、金融政策における利下げの効果は限定されているため、為替介入を行う必要があると説明。

「われわれの為替介入は貿易相手国を犠牲にする重商主義政策や近隣窮乏化策には当たらない」と強調。「この政策はむしろ、中銀に対し、物価安定を図り、責務を果たすために必要な手段を与えている」と述べた。

為替介入により、中銀の外貨準備は7420億フラン(7477億6000万米ドル)に膨らみ、経常黒字は国内総生産(GDP)の約10%と、世界第7位の水準に拡大している。

米財務省は半期に一度の為替報告書で、2016年以降、スイスを「監視リスト」に入れている。為替操作認定の3つの基準のうち、経常黒字と為替介入総額の2つが基準を満たしたことが理由で、残る対米貿易黒字については、上期に66億ドルと、基準に届かなかった。

ジョルダン総裁は「この件に関し、米国の担当機関と建設的な対話を継続している」と述べた。

また、高水準な経常黒字は為替介入が理由ではなく、人口の高齢化や通貨高の影響が比較的小さい商社や製薬会社が国内経済に占める割合が高いことなどの特殊要因があると説明。

スイスフランは足元でやや弱含みとなっているが、ジョルダン総裁は「依然として過大評価されている」との見方を示した。

ロイター
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