ニュース速報

ワールド

豪中銀、予想通り金利据え置き 成長鈍化の懸念も

2016年12月06日(火)16時12分

 12月6日、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は、年内最後の理事会を開き、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを予想通り、過去最低の1.50%に据え置くことを決定した。写真はシドニーで10月撮影(2016年 ロイター/David Gray)

[シドニー 6日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は6日、年内最後の理事会を開き、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを予想通り、過去最低の1.50%に据え置くことを決定した。ただ理事会後に発表した声明では、弱めの経済指標が出ていることを受け、第3・四半期の成長率がマイナスになる可能性があることにも言及した。

ロイター調査では、対象となったエコノミスト64人全員が据え置きを予想していた。

中銀のロウ総裁は声明で「年間の成長率はある程度減速した後、再び上向く見通しだ。企業投資の見通しは依然として抑制されているが、法人の心理に関する指標は、引き続き平均を上回っている」との見方を示した。

主要コモディティーの輸出価格が上昇する中、政策担当者らは経済見通しに対してさらに楽観姿勢となっていた。

第3・四半期の国内総生産(GDP)は7日に発表される予定。アナリストの間では、2011年前半以来初めて成長率がマイナスとなるとの懸念が出ている。現実となれば、豪ドルが0.7450米ドルまで下落する可能性は十分ある。

金利先物市場<0#YIB:>は、数カ月以内の利下げをあまり織り込んでいないが、利上げを見込む声も少ない。

基調インフレは1.5%にとどまっており、今後1年以上は中銀目標レンジの2─3%を下回る見通し。ここ数カ月の雇用の伸びも失望を誘う数字となっており、フルタイム職が得られずパートタイムで働く人が増える傾向にある。

10月の住宅着工許可件数は予想に反して減少し、住宅建設ブームは既にピークを越えたようだ。一方で、シドニーとメルボルンの住宅価格は上昇が加速している。

ロウ総裁はこうした傾向について、一部市場では住宅価格は大幅に上昇し、住宅融資は小幅に上向いていると指摘した。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシア、軍事演習で戦術核兵器の使用練習へ 西側の挑

ワールド

再送イスラエル軍、ラファ空爆 住民に避難要請の数時

ワールド

再送イスラエル軍、ラファ空爆 住民に避難要請の数時

ワールド

欧州首脳、中国に貿易均衡と対ロ影響力行使求める 習
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表...奇妙な姿の超希少カスザメを発見、100年ぶり研究再開

  • 3

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 4

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 5

    「真の脅威」は中国の大きすぎる「その野心」

  • 6

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 7

    メーガン妃を熱心に売り込むヘンリー王子の「マネー…

  • 8

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 9

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 10

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 5

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中