ニュース速報

ワールド

ブラジル中銀、政策金利を据え置き 緩和は「インフレ動向次第」

2016年09月01日(木)09時44分

 8月31日、ブラジル中央銀行は政策金利を14.25%に据え置くと発表した。据え置きは9会合連続で、全会一致で決定された。写真はブラジリアにあるブラジル中央銀行。2015年9月撮影(2016年 ロイター/Ueslei Marcelino)

[ブラジリア 31日 ロイター] - ブラジル中央銀行は31日、政策金利を14.25%に据え置くと発表した。据え置きは9会合連続で、全会一致で決定。市場も据え置きを予想していた。

ただ、中銀が利下げの条件に言及したことを受け、高止まりしているインフレ率が低下すれば、年内利下げもあり得るとの見方が市場で広がっている。

ブラジルの現在の政策金利は2006年7月以来の高水準。世界の主要経済国の中でもかなり高い水準だが、インフレ率は9%付近で高止まりしている。食料品の急激な値上がりで個人消費の大幅な落ち込みが相殺されているためだ。

中銀は今回、前回の声明にあった「金融緩和の余地はない」との文言を声明から削除した一方、金融緩和の条件は2017年のインフレ目標達成をより強く確信させる要素次第とする見解を示した。

中銀のインフレ目標の中心値は4.5%。

中銀は金融政策を柔軟にする重要な要素として、緊縮財政措置の承認と食品インフレの収束を挙げた。また、高金利と低調な経済がディスインフレのペースに与える影響についても注視するとした。

市場関係者の多くは、中銀が今回、利下げに必要な条件の提示に前向きだったことは年内利下げの可能性を示す明確なシグナルと解釈している。

コンサルティング会社テンデンシアスのエコノミストは「利下げの条件を詳細に示した中銀は、利下げに前向きだと言える。ただ、これらの条件を満たすことは容易ではない」と指摘。「10月の利下げは考えられないが、11月には動きがあるかもしれない」と語った。

中銀は声明で、2017年にインフレ率を目標の4.5%まで低下させることを目指すと再度表明。中銀は2010年8月以降、このインフレ目標を達成できていない。

ブラジルの政治の混乱が収まり、景況感が回復する中で、インフレ率の高止まりは経済の足かせとなりかねないとの懸念がある。

ブラジル上院は31日、国家会計の不正操作などの罪に問われたルセフ大統領の罷免を決定。大統領代行を務めていたテメル副大統領が正式に新大統領に就任した。

経済改革を通じた財政健全化を目指すテメル政権下で、歳出抑制や年金削減などの改革案が承認された場合、中銀が取り組むインフレ抑制とインフレ期待の低下にも追い風が吹くとみられる。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

豪BHP、英アングロへの買収提案の改善検討=関係筋

ビジネス

円が対ドルで5円上昇、介入観測 神田財務官「ノーコ

ビジネス

神田財務官、為替介入観測に「いまはノーコメント」

ワールド

北朝鮮が米国批判、ウクライナへの長距離ミサイル供与
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    美女モデルの人魚姫風「貝殻ドレス」、お腹の部分に…

  • 10

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中