航空各社大わらわ、中東紛争で欠航やルート変更 燃料高騰直撃
フライトがキャンセルされ、韓国・仁川空港に駐機したままのエミレーツ航空機。3月5日撮影。REUTERS/Kim Hong-Ji
Rajesh Kumar Singh Joanna Plucinska Federico Maccioni
[シカゴ/ロンドン/ドバイ 5日 ロイター] - 米国と欧州の航空株は5日、軒並み下落した。原油価格が急騰するとともに米・イスラエルとイランの紛争に伴い中東の空域の大部分が制限され、各国政府が足止めされた自国民の帰還に奔走しているためだ。
中東の大部分の領空がミサイル攻撃のリスク懸念から依然閉鎖されており、当局は数万人を避難させるためにチャーター便を手配したり、限られた民間便の座席を確保したりしている。
世界で最も混雑する国際ハブ空港のドバイ国際空港の運航は通常を大幅に下回る。ドバイ空港の活動はほぼ停止状態にあり、航空機の飛行全体と航空貨物の混乱が長期化する見通しだ。
ドバイ空港のポール・グリフィス最高経営責任者(CEO)は5日、ビジネス向け交流サイト(SNS)「リンクトイン」で「この数日間は前例のない事態だ」と述べた。
<空路変更と燃油コスト>
アジアと欧州を結ぶ主要な空の回廊の一部であるアゼルバイジャンは、イラン国境に近いナヒチェヴァンでドローン攻撃を受けたため、イランに接する領空の一部を一時的に閉鎖した。
航空株は2月28日の米・イスラエルの対イラン攻撃開始以降、大幅に売られている。投資家は空域閉鎖の長期化と燃油コストが高止まりする可能性があるのではないかと懸念する。S&Pグローバル・プラッツは5日、ジェット燃料価格が世界的に急騰し、シンガポール市場で過去最高値を更新したと発表した。
米国の航空会社は中東路線に対する依存度が低く、湾岸諸国を拠点とする航空会社に影響するような大規模なネットワークの停止に追い込まれていない。しかし、燃油価格の上昇は財務状況に大きなリスクをもたらしている。
燃油費は通常、米航空各社にとって人件費に次いで2番目に大きな支出項目だが、多くの航空会社はヘッジをしておらず、価格高騰に対して無防備な状態にある。
ヘッジがない場合、航空会社はコスト増を相殺するために運賃を引き上げなければならない。しかし、航空券はしばしば数週間から数カ月前に販売されるため、各社は短期的に突然の価格高騰を吸収する必要がある。その後に値上げできるかどうかは需要次第で、各社は価格に敏感な旅行者の需要を損なうのではないかと懸念している。
モーニングスターの株式アナリストのニコラス・オーウェンズ氏は「3月の米航空各社の収益は、予期しなかった燃油高で大きな打撃を受けるだろう」と予測した。
米主要航空のサウスウエスト航空、アメリカン航空、デルタ航空、ユナイテッド航空、アラスカ航空の株価は4―9%下落した。欧州もエールフランスKLMやルフトハンザ航空、ブリティッシュ・エアウェイズを傘下に持つIAG、格安航空会社(LCC)のライアンエアーが値を下げた。
<自国民の帰還作戦が加速>
エミレーツ航空とエティハド航空は現在、ドバイとアブダビから安全な航空回廊を経由した限定的な運航を実施している。エミレーツの広報担当者によると、ドバイから旅客と貨物を載せた100便以上の出発が5日と6日の2日間で予定されている。
カタール航空は足止めされた乗客を救出するため5日から限定的な航空便を運航すると発表した。オマーンのマスカットからロンドン、ベルリン、ローマ、アムステルダム、コペンハーゲン、マドリッドの欧州6都市、サウジアラビアのリヤドからフランクフルトに向けてそれぞれ出発する。
米国、カナダ、欧州各国の政府は自国民を帰還させるためにチャーター便を手配し、民間便の座席を確保している。米国人は紛争開始以来、既に1万7500人以上が帰国した。
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