インドルピー、史上最安値更新 中東紛争でリスク回避の売り
2025年8月、ベンガルールの市場でインド紙幣を数える男性。REUTERS
Jaspreet Kalra Nimesh Vora
[ムンバイ 4日 ロイター] - インドの通貨ルピーが4日、対ドルで初めて1ドル=92ルピー台に乗せ、史上最安値を更新した。緊迫化する中東情勢を受けた原油価格の急騰が、インドの経常赤字拡大やインフレ加速への懸念を強めている。
ルピーは一時、1ドル=92.17ルピーまで下落。前日比で0.7%安となり、1月下旬に記録したこれまでの最安値(91.9875ルピー)を塗り替えた。
中東紛争の拡大は、複数の経路でインド経済に打撃を与えるリスクがある。インドは原油需要の8割以上を輸入に依存しており、原油高は貿易赤字の拡大に直結する。また、世界的なリスク回避姿勢の強まりにより、海外投資家がインド株式市場から資金を引き揚げる動きも加速している。
さらに、中東地域で働くインド人労働者からの送金への影響も懸念されている。
コタック・マヒンドラ銀行のアナリストはリポートで「紛争が長期化すれば、送金や資本流入が滞る可能性がある。経常赤字の拡大やインフレ、成長率の鈍化を通じて、インドのマクロ経済見通しは悪化するだろう」と分析した。
ルピーは年初からすでに2%超下落しており、新興国通貨の中でも下げが目立つ。2025年通年でも対ドルで約5%下落した。
HSBC銀行のアナリストは「原油高の影響は、実需統計に現れる前に為替相場に先行して反映される」と指摘。最近は、輸入企業によるドル買いが加速する一方で、輸出企業が手元資金のドル売りを控える動きが出ており、ルピー安圧力を一段と強めているという。





