中東情勢の緊迫化、状況をしっかり注視していきたい=氷見野日銀副総裁
日銀の氷見野良三副総裁は2日、和歌山市で開いた金融経済懇談会の冒頭で、中東情勢の緊迫化を受け「状況をしっかり注視していきたい」と述べた。写真は2024年3月、都内の日銀本店で撮影(2026年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Takahiko Wada
[和歌山市 2日 ロイター] - 日銀の氷見野良三副総裁は2日、和歌山市で開いた金融経済懇談会の冒頭で、中東情勢の緊迫化を受け「状況をしっかり注視していきたい」と述べた。金融政策運営については、2%の物価目標の実現が近づいていることから経済・物価・金融情勢を見つつ「徐々にアクセルを緩めている」としたが、あいさつは「週末以来の中東情勢を前提にした内容になっていない」と説明した。
氷見野副総裁のあいさつは、2月28日の米国とイスラエルによるイラン攻撃の直後のタイミングでの実施となった。
氷見野副総裁は物価の基調について「着実に上昇してきているということは確かだろう」とする一方で、「達観すればすでにおおむね2%近傍だとしても、2%に確実に達しているとまではまだ言えないのではないか」と話した。
日銀のスタッフが2024年に公表した自然利子率の推計値、マイナス1%からプラス0.5%については「評価の幅があまりに広いため、これだけでは0.25%の利上げを12月に行ったのが早すぎたのか遅すぎたのかということや、次の利上げはいつがいいかといった論争に結論を出すことは難しい」との見方を示した。
その上で、モデルで推計された自然利子率と足元の実質金利の関係から緩和度合いを評価すると同時に、実質金利の変化が金融環境に与える影響を評価することにより自然利子率を見定めるアプローチもとっていくことで「地に足の着いた政策判断が可能になるのではないか」と述べた。
氷見野副総裁は、利上げによる影響はこれまでのところ限定的で「金融環境は依然緩和的な領域にあるのではないか」と指摘。ただ、利上げの影響数値は遅れて出てくるため、懇談会の出席者の「肌感覚」を聞きたいとも語った。
東西の古典に精通する氷見野副総裁は、和歌山県高野山が真言密教の聖地であることにちなみ、経済・物価・金融の複雑なつながりを曼荼羅(まんだら)のような図式を示しながら説明した。
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