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バークシャー新CEO、前任バフェット氏の価値観堅持 株主書簡

2026年03月02日(月)10時32分

2025年5月、米オマハで開催されたバークシャー・ハサウェイの年次総会に出席するグレッグ・アベル氏。 REUTERS/Brendan McDermid

Jonathan Stempel

[28日 ロイ‌ター] - 米投資会社バークシャー・ハサウェ‌イのグレッグ・アベル最高経営責任者(CEO、63)は、就​任後初となる2月28日付の年次株主書簡で「要塞のような」バランスシートを維持するとともに、ウォー⁠レン・バフェット前CEO(95)の価値観​を堅持すると誓った。

バークシャーは過去最高に近い3733億ドルの現金資産を保有しているが、アベル氏はこれを急いで取り崩して運用することはないと説明。現金資産は同社に十分な「予備資金」をもたらしており、バフェット氏も反対していた配当金支払いを始め⁠ることは計画していないと明らかにした。バークシャーは2024年春以来、自社株買いもしていない。

アベル氏は「皆様が当社に対して一緒に成功し、⁠正​しい方法でそれを成し遂げることを望んでいると認識している」とし、「私の役割は当社の流動性水準と資本配分が意図的かつ慎重であり続けるのを保証することだ」と指摘する。

また、会長としてバークシャーに週5日出勤しているバフェット氏のことを「間違いなく史上最高の投資家であり、その投資眼は世代を超えて恩恵をもたらしてきた」と称賛。その⁠上で「バークシャーへの投資は、当社の創業者(のバフェ‌ット氏)に対する信頼の表明であり続けてきた。その信頼は今やバークシャーに⁠向けられ⁠ている」と言及した。

バフェット氏が昨年5月にCEO退任を発表して以来、バークシャー株のパフォーマンスはS&P500種指数を大幅に下回っている。

CFRAリサーチのアナリスト、キャシー・サイファート氏は、バフェット氏のような文才がアベル氏には欠けていたものの、書簡は投資家にとって安心‌材料となる可能性があると指摘。「アベル氏は経営陣が交代してもバークシ​ャーの事‌業基盤が維持され、従来通⁠りの経営の継続性を示す必要が​あった」とし、「私の見解では、アベル氏はその目的を見事に達成した」と評価した。

ニューバーガー・バーマンの運用額が60億ドルを超える「クオリティ・エクイティ・ファンド」の責任者、ダン・ハンソン氏は「アベル氏が後継者として適任かどうかに疑問があったとしても、この書簡で払拭されたは‌ずだ」と強調した。

同時に発表した2025年第4・四半期決算の営業利益は前年同期比30%減の約102億ドルとなり、自動車保険会社GEICO(ガイコ)などの保険事業からの収​益が減ったことが響いた。

純利益も3%減の192億ドルとな⁠った。保有する石油会社オクシデンタル・ペトロリアム株で45億ドルの評価損を計上したのが足を引っ張った。

25年通期の営業利益は前期比6%減の444億9000万ドル、純利益も25%減の669億7000万ドルとなった。バフ​ェットは長年にわたり、株式投資の会計ルールによる純利益変動については気にしないように投資家に促してきた。

売上高は3714億4000万ドルと、ほぼ横ばいだった。サイファート氏は、アベル氏が「26年には再保険と商業保険が全く成長しない可能性を示唆した」と説明した。

ロイター
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