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アングル:中国「二線都市」が高級ブランドの最前線に、北京など上回る

2026年02月01日(日)08時24分

南京にある商業施設「南京徳基広場」で2025年12月撮影。REUTERS/Go Nakamura

Casey ‍Hall

[上海 28日 ロイター] - 中国では「二線都市」と呼ばれる中堅都市が高‌級ブランドにとって販売活動の最前線となりつつある。生活コストの低い街に住んで高い生活水準を維持しようとする中間層の消費者が増え、高級品への出費が顕著に伸びているためだ。

南京や長沙など20以上の中堅都市における高級品消費額が北京や上海といった「一線都市」を上回る状‌況を受けて、英高級ブランドのバーバリーやルイ・ヴ​ィトンなどを傘下に持つモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)はこうした中堅都市での販売に力を入れ、中国の高級品市場の回復基調を示す売上を上げている。

不動産サービス会社CBREの中国小売り部門責任者ジノ・ヘルムリンガー氏は、「今これらの二線都市が(高級品販売の)トップ10に入っているという事実は、考えてみれば驚くべきことだ」と話す。

高級品消費の約4分の1を占める中国では、パンデミック後のブーム終息後は販売が低迷。経済成長の鈍化と不動産セクター危機の余波が、一般消費者に影‌響を及ぼしている。

そんな中、バーバリーは中国「Z世代」向けの販売が好調で年末商戦の販売が市場予想を上回ったと先週発表。LVMHも27日、 中国での売り上げ回復が業績を押し上げたとする四半期決算を発表した。

注目すべきは、ルイ・ヴィトンが8月に中国で美容ライン「ラ・ボーテ ルイ・ヴィトン」をローンチした際、アイシャドウやリップバーム、1200元(約2万6000円)の口紅を、一線都市ではなく南京にある商業施設「南京徳基広場」で先行販売したことだ。

この数カ月前に発表されたデータで、南京徳基広場が長年トップだった北京の「北京SKP」を抜き、中国で最も業績の良い高級ショッピングセンターとなったことが判明した。江蘇省の省都(人口950万人)にある南京徳基広場の2024年の売り上げは245億元以上だったのに対し、北京SKPは222億元だったと国営メディアが報じた。アナリストによれば、25年も南京徳基が首位を維持した可能性が高いという。

南京徳基広場には美術館や最新のフードホールがあるほか、書道・クラシック音楽・サイバーパンクをテーマにした500平​方メートルのトイレが設置されている。トイレは豪華な造りがSNSで話題となり、「セルフ・ポートレイト」やエスティローダ⁠ー傘下の MACコスメティックスなどのブランドがポップアップショップを出店した。

南京徳基広場について、チョウ・シヨンさん(24)は「美味しい料理の種‍類が豊富で、出店している店舗も素晴らしい」と話す。「徳基だけにしかないから、ここに来る」

<南京徳基広場は「商業効率で優位」>

南京の様な二線都市では、生活費の安さを求めて北京や上海といった一線都市から来た中産階級が増えており、高級ブランドにとって重要度が増している。

調査会社MDRiの調査によると、二線都市の高級品購入者は24年、平均25万3800元を消費。前年比22%増で、消費額が4%減の25万200元だった一線都市の消費者を上回った。

高級ブランドは、従来の成長市場から流出し始めた消費者を追いかけており、バーバリーの場合、ブランド名の‍付いたスケートリンクの設置やスキー場でのポップアップショップなど、新たなマーケティング手法を試みている。

不動産コンサルティン‍グ会社サビル‌ズ中国調査責任者のジェームズ・マクドナルド氏は「最近の(高級ブランドの)収益は緩やかな回復を示している。その要‍因として、一線都市での旗艦店体験や、中堅都市のトップ商業施設でのより的を絞った販売戦略など積極的な投資戦略がある」と述べた。

不動産コングロマリット「徳基グループ」が所有する南京徳基広場は、南京地域で主要高級ブランドを全てそろえる唯一の商業施設であるだけでなく、Z世代の顧客をターゲットにしたより手頃な価格帯のブランドもそろっている。高級ブランドが気まぐれな若年層消費者の嗜好の変化を取り込もうとする中で、Z世代の影響力は増している。

「徳基は中国で最も高級品の販売密度が高い。超強力なVIP顧客の囲い込み戦略、ブランドとの深い協⁠力関係、頻繁な店舗の入れ替えなど、商業効率において圧倒的だ」と、CBREのヘルムリンガー氏は指摘。

「ブランドは数キロ離れた別の商業施設に出店するよりも、むしろここに出店する機会を待つことを選ぶだろう」

<二線都市のショッピングモールが躍進>

ヘルムリンガー氏によ⁠れば、長沙国金中心(IFS)や武漢武商、杭州In77など、他の二線都市の商業施設も高級品売‍上ランキングで順位を上げている。

この上昇には、経済的要因もある。マッキンゼーが昨年発表した調査によると、中国では大都市の消費者が自由裁量支出を削減する傾向が強い。この調査によれば、生活費が低く雇用安定性が高い二線都市では、若年層や中所得層の消費者の購買意欲がより強かった。

サビルズのマクドナルド氏によれば、​多くの二線都市では、一線都市からの人口流入により中間層人口が増加しているという。

人口動態や経済の変化に加え、二線都市のトップの商業施設はラインナップを大幅に改善し、近隣の消費者が上海や北京まで行かなくてもブランド品を購入できるようになったとヘルムリンガー氏は指摘する。

同氏は「これは中国の消費行動と、資金が集中し消費される場所が広範に変化していることを示している」と指摘。「今後数年間で、より多くの二線級都市が台頭するだろう。そこが資金が集まるからだ」と述べた。

ロイター
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