豪中銀、来年の利上げ可能性を議論 インフレ上昇で=議事要旨
[シドニー 23日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)は23日公表した12月8─9日の理事会の議事要旨で、このところのインフレ率上昇を踏まえ、2026年に利上げが必要かどうかを検討したが、確実に判断するには「もう少し」時間がかかるとの見解を示した。
議事要旨によると、理事会は10月と第3・四半期の消費者物価指数(CPI)が予想外に高かったことを受けて、インフレリスクが高まったと判断した。
ただ、一部の要因は変動的である可能性があり、1月下旬に発表される第4・四半期の数字を見ることが重要になるとし、「メンバーは、来年のある時点でキャッシュレートの引き上げを検討する必要が出るかもしれない状況について議論した」と明らかにした。
その上で「最近のデータはインフレリスクが上向きに傾いていることを示唆しているが、メンバーはインフレ圧力の持続性を評価するにはもう少し時間がかかると考えた」と指摘した。
中銀は9日、政策金利を予想通り3.60%に据え置いた。物価圧力の持続性を見極めるにはもう少し時間が必要だとし、利上げを急がない姿勢を示唆した。
ブロック総裁は会合後の記者会見で、利上げが必要となりそうな状況については議論したと説明。当面利下げはないとし、「問題なのはここから据え置きが続くのか、それとも利上げの可能性があるのか、ということだ」と述べた。
10月のCPIは前年同月比3.8%上昇し、4カ月連続で加速した。電気料金割引が一部終了したことが一因で、来年半ばまでインフレの上昇要因となる。
ただ理事会は、インフレ上昇が一時的なら、政策金利を当面据え置くことで経済をほぼ均衡状態に保つことができる可能性があると判断。これにより、12月と第4・四半期全体のインフレ指標の重要性が高まり、高水準になれば2月3日の次回会合で引き締め策に踏み切る可能性がある。
市場はすでに利上げリスクを織り込んで大きく変動し、2月の利上げ確率は約25%となっている。25ベーシスポイント(bp)の利上げは7月までに完全に織り込まれ、来年は計44bpの利上げが予想されている。
議事要旨によると、金融環境がインフレを抑制するのに十分制約的であるかどうかについて理事会の意見が分かれており、一部の理事は金融環境がもはや厳しくない証拠として銀行による積極的な融資や住宅価格の上昇を挙げた。
また理事会は、労働市場が依然やや逼迫しており、経済は需要超過の状況にある可能性が高いという点で一致。設備稼働率の上昇も供給制約を示唆しているという。





