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英中銀ピル氏、QEの国債保有「非常に低い水準」まで削減との見方示唆

2025年11月19日(水)00時24分

ロイターのインタビューに応じるイングランド銀行(英中央銀行)のチーフエコノミスト、ヒュー・ピル氏。ロンドンで2月撮影。REUTERS/Suzanne Plunkett

[ロンドン 18日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のチーフエコノミスト、ヒュー・ピル氏は、英中銀が金融政策目的で保有する英国債を「非常に低い」水準まで削減するとの見通しを示した。ただ、他の理由で国債を保有し続ける可能性はあるとした。

英中銀は2009年から21年にかけて、景気支援のために8750億ポンド(1兆1500億ドル)の英国債を購入。22年以降は保有額を削減しており、どこまで削減するかについて明確にしていない。

ピル氏はフランスの投資銀行ナティクシス主催のイベントで、超過準備金は早ければ来年にもなくなる可能性があるものの、それ以降も国債売却は続く可能性が高いとの見方を示唆。

「これは国債ポートフォリオを全く保有しないという意味ではない。おそらく紙幣の裏付けや構造的な理由から保有するだろうが、現時点では、金融政策上の理由から保有している、過去の量的緩和で買い入れた国債ポートフォリオは非常に低い水準まで低下すると予想している」と述べた。

このほかピル氏は、インフレ圧力がどの程度のペースで緩和しているか見極める場合、政策当局者はノイズの多い短期的な経済データを過度に重視すべきではないとの見方を示唆。

「政策当局者は最新のデータに関するニュースを過度に解釈することに慎重になるべきだ」とし、データの流れには多くのノイズが含まれるほか、国家統計局が集計するデータの質を巡る問題も考慮する必要があるとの見方を示した。

また、英国の基調的なインフレ圧力は、3.8%という総合インフレ率が示唆するほど高くないと考えているとしつつも、賃金上昇が鈍化し失業率が上昇する中、インフレ関連の指標はこれまでの予想ほど減速していないと述べた。

ロイター
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