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ワインスタイン氏のファンド、テック大手CDS取引で銀行の売り手に=関係者

2025年11月18日(火)09時06分

ボアズ・ワインスタイン氏。2023年10月17日、米ニューヨークで撮影。REUTERS/Brendan McDermid

Nell Mackenzie Lucy Raitano

[ロンドン 17日 ロイター] - 著名投資家ボアズ・ワインスタイン氏が率いるヘッジファンド、サバ・キャピタル・マネジメントはここ数カ月、オラクルやマイクロソフトといったテック大手銘柄のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)取引で複数の銀行に対しする売り手となっている。事情に詳しい関係者がロイターに明かした。

銀行側がCDSを購入するのは、多額の人工知能(AI)関連投資に伴ってテック大手の借り入れが膨らんでいる事態を警戒し、万が一の貸し倒れ損失へのヘッジ対策を講じる狙いがある。

関係者の話では、サバが銀行に売っているのはオラクル、マイクロソフト、メタ、アマゾン・ドット・コム、グーグル親会社アルファベットのCDSで、プライベート・クレジット・ファンドなど一部の資産運用会社も熱心な買い手になっている。

オラクルとアルファベットのCDS価格は足元で2年ぶりの水準に跳ね上がり、S&Pグローバルのデータでは、メタとマイクロスフとのCDS価格も最近数週間で急騰した。

ただアナリストによると、テック大手のCDS価格は確かに大きく上昇したとはいえ、他のセクターの幾つかの投資適格銘柄よりはなお低い水準にとどまっている。

マイクロソフトはコメントを拒否し、メタ、グーグル、アマゾン、オラクルの各社はコメント要請に回答していない。

ワインスタイン氏は2012年、「ロンドンの鯨」と呼ばれたJPモルガン・チェースのトレーダーが手がけていた巨大なCDS取引の反対ポジションを構築する「逆張り」に動いて、大きな利益を得たことで一躍有名になった。

ロイター
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