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NY外為市場=円が対ドルで154円台に下落、日米中銀の政策スタンスに反応

2025年10月31日(金)05時58分

終盤のニューヨーク外為市場では、円が下落した。5月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 30日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、円が下落した。日本銀行がトレーダーの予想ほどタカ派的ではない姿勢を示す一方、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が29日に12月の利下げは保証されていないと述べたことが背景。

ドル/円は0.9%上昇し、2月13日以来の高値となる154.08円を付けた。コーペイのチーフストラテジスト、カール・シャモッタ氏は、「日銀の政策担当者は円強気派を失望させた」と述べた。DRWトレーディングのストラテジスト、ルー・ブライアン氏も「日銀の植田総裁は、事態が収束するまで待つ姿勢を見せ、市場の期待を少し後退させた」と語った。

日銀は29―30日に開いた金融政策決定会合で、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.5%程度で維持することを賛成多数で決めた。

ドル指数 は0.38%高の99.51。一時、8月1日以来の高値となる99.72に達した。

一方、ユーロは0.27%安の1.1568ドルとなった。欧州中央銀行(ECB)は30日に開いた理事会で、主要政策金利である中銀預金金利を3会合連続で2%に据え置いた。今後の動向については示唆しなかった。一時、10月14日以来の安値となる1.1546ドルまであった。

シャモッタ氏は「ECBの現状維持を掲げる政策アプローチは、今後数カ月は維持されるだろう。金利はすでに理論上の『中立』レンジの下限に達しており、インフレ圧力は弱く、理事会メンバーはドイツの財政刺激策が来年の貿易関連の落ち込みを相殺すると考えている」と指摘した。

英ポンドは0.31%安の1.3152ドルと、4月14日以来の安値となった。イングランド銀行が利下げに踏み切るとの見方が高まったことからここ数日は下落しているが、英中央銀行は来週の会合で政策金利を据え置く可能性が高いとみられている。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは3.58%下落して10万7483ドルとなった。

ドル/円 NY午後3時 154.06/154.10

始値 153.95

高値 154.44

安値 153.87

ユーロ/ドル NY午後3時 1.1567/1.1568

始値 1.1606

高値 1.1611

安値 1.1548

ロイター
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