ネスレ、1万6000人削減へ 第3四半期は予想上回る増収

１０月１６日、スイスの食品大手ネスレが発表した第３・四半期決算は、コーヒーや菓子の値上げを背景に売上高の伸びが市場の予想を上回った。写真はネスレのロゴ。スイス・ローザンヌで２０１８年４月撮影（２０２５年　ロイター/Pierre Albouy）

Alexander Marrow

[１６日 ロイター] - スイスの食品大手ネスレが１６日発表した第３・四半期決算は、コーヒーや菓子の値上げを背景に売上高の伸びが市場の予想を上回った。フィリップ・ナブラティル最高経営責任者（ＣＥＯ）は、業務の効率化を目的に１万６０００人の人員削減を実施すると発表した。

人員削減の規模は、全社員の５．８％に相当する。ナブラティル氏によると、製造部門やサプライチェーンでの４０００人の削減に加え、効率化の一環としてホワイトカラー職を１万２０００人削減する方針で、コスト削減目標を２０２７年末までに２５億スイスフランから３０億スイスフラン（３７億７０００万ドル）へ引き上げた。

第３・四半期の売上高の指標である実質内部成長率（ＲＩＧ）は１．５％増と、アナリスト予想の０．３％増を大きく上回った。

ナブラティル氏は、ＲＩＧ主導の成長が最優先課題だと述べた。

為替変動や買収の影響を除いたオーガニック売上高は４．３％増加。アナリスト予想の３．７％増を上回った。

コーヒーや菓子類の価格上昇が増収に寄与したが、中華圏が足を引っ張った。マンツ最高財務責任者（ＣＦＯ）は、中国全土での流通拡大に重点を置きすぎて、消費者の需要喚起に十分取り組んでいなかったと説明した。

２０２５年通期の予想は据え置いた。オーガニック売上高伸び率が２４年比で改善し、基調的な営業利益率は１６％以上と予想した。