ニュース速報
ビジネス

EUの鉄鋼輸入枠削減案、自動車業界が反発 「行き過ぎ」と批判

2025年10月08日(水)15時26分

 10月8日 欧州自動車工業会(ACEA)は8日、欧州連合(EU)が提案した鉄鋼輸入枠の削減計画について「行き過ぎだ」と批判、欧州の自動車メーカーが原材料費の高騰と事務コストの増加のリスクに直面すると警告した。写真は2023年11月、独デュイスブルクで撮影(2025年 ロイター/Wolfgang Rattay)

[ブリュッセル 8日 ロイター] - 欧州自動車工業会(ACEA)は8日、欧州連合(EU)が提案した鉄鋼輸入枠の削減計画について「行き過ぎだ」と批判、欧州の自動車メーカーが原材料費の高騰と事務コストの増加のリスクに直面すると警告した。

欧州委員会は7日、域内の鉄鋼産業の保護を目的として、鉄鋼製品の無関税輸入枠を2024年比で47%削減して年間1830万トンにするとともに、輸入枠超過の製品に課す関税率を現行の25%から50%に引き上げることを提案した。EU加盟各国と欧州議会の承認が必要となる。

ACEAによると、欧州の自動車メーカーは鉄鋼の直接購入分の約90%をEU内で調達しているものの、輸入枠削減がインフレを助長することを強く懸念しているという。

ACEAは声明で「鉄鋼のようなコモディティー産業にある程度の保護が必要なことは理解するが、欧州委員会の案は欧州市場を過度に保護している」と表明。

さらに、自動車メーカーは今後も一定の量と質の鉄鋼を輸入する必要があり、現行の輸入枠でも自動車用の特殊鋼材は輸入枠がすぐに使い切られていると指摘した。

また、輸入業者に原料の溶解・鋳造地を明示させる新規則についても、複雑な自動車のグローバルサプライチェーンでは運用が難しいと懸念を示した。

その上で「欧州の鉄鋼生産者とユーザーの双方のニーズをより良く調和させる必要がある」と主張した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ドイツ鉱工業生産、8月は侵攻以来最大の落ち込み 経

ワールド

英国、公的部門借入額を下方修正 税収データに誤り

ワールド

タイ中銀、政策金利据え置き 米関税で成長減速予想

ビジネス

アサヒGHDへのサイバー攻撃、ランサムウエア集団「
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国EVと未来戦争
特集:中国EVと未来戦争
2025年10月14日号(10/ 7発売)

バッテリーやセンサーなど電気自動車の技術で今や世界をリードする中国が、戦争でもアメリカに勝つ日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示す新たなグレーゾーン戦略
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    トイレ練習中の2歳の娘が「被疑者」に...検察官の女性を襲った「まさかの事件」に警察官たちも爆笑
  • 4
    祖母の遺産は「2000体のアレ」だった...強迫的なコレ…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ…
  • 7
    【クイズ】イタリアではない?...世界で最も「ニンニ…
  • 8
    「それって、死体?...」新婚旅行中の男性のビデオに…
  • 9
    ヒゲワシの巣で「貴重なお宝」を次々発見...700年前…
  • 10
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿す…
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレクトとは何か? 多い地域はどこか?
  • 3
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 4
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 5
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿す…
  • 6
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 7
    祖母の遺産は「2000体のアレ」だった...強迫的なコレ…
  • 8
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示…
  • 9
    更年期を快適に──筋トレで得られる心と体の4大効果
  • 10
    MITの地球化学者の研究により「地球初の動物」が判明…
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 9
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中